出版社内容情報
「パンセ」の著者パスカル(1623‐1662)は優れた哲学者であると同時に,数学者であり,また極めて優秀な科学者であった.すなわち,いわゆるパスカルの法則とよばれる物理学における液体の圧力伝導に関する法則を発見もした.本書には,彼の幾多の法則の根底となった思考の過程と実験を示し,科学者パスカルの全貌を伝える.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
9
解説188頁の物体や、空間の認識、定義は重要。真空に関するいろいろな実験が行われていて面白い。原則7か条が引き出されている。例えば4か条目には「真空の場所に接している物体は、そこを満たそうとする傾向を有する」(25頁)などである。真空と物体の不思議を実験するのは面白い。宇宙空間と重力のある地球上の違いをも考察し得るからである。素人考えでは、古典的な実験ではあるが、実は本質的な真理を追究していると思われる。124頁には乳児が乳首を吸う力は大気の圧力によるという説明される。セクハラではない。真面目に書かれる。2014/01/28
misui
4
17世紀当時に支配的だった「自然は真空を嫌う」(アリストテレス)という考え方を実験によって反証している。「科学的文体の典型を示した」と評されている通り、スマートで余計なところのない記述。にしても、デカルトと面識があることすら知らなかった。2017/09/26
讃壽鐵朗
2
初めてこの時代の実験報告を読んで興味深かった2015/04/17