岩波文庫
十八世紀ヨーロッパ監獄事情

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  • サイズ 文庫判/ページ数 306p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784003346518
  • NDC分類 326.93
  • Cコード C0122

出版社内容情報

自らの拘禁経験と博愛主義の精神から,延べ六回にわたりヨーロッパ十一カ国の監獄を歴訪したジョン・ハワード(一七二六―九〇)は,徹底した調査と観察にもとづいて,監獄の現状を記し,改革を提言する報告書をまとめた.本書は,その一部を訳出したものであるが,伝聞を排し,直接見たことだけを記述した社会史の一級史料である.

内容説明

自らの拘禁経験と博愛主義の精神から、延べ六回にわたりヨーロッパ十一カ国の監獄を歴訪したジョン・ハワード(1726‐90)は、徹底した調査と観察にもとづいて、監獄の現状を記し監獄改革を提言する報告書をまとめた。本書は、その一部を訳出したものであるが、伝聞を排し、直接見たことだけを記述した社会史の一級史料である。

目次

第1章 監獄における惨状の概観
第2章 監獄における悪習
第4章 諸外国の監獄事情
第5章 イギリスにおける戦争捕虜
第6章 スコットランドとアイルランドの監獄事情
第7章 イギリスの監獄事情

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マッキー

13
結構興味深い内容だった。廃船を利用した監獄があることが一番の驚きだった。一体看守はどこにいるんだろう。2015/09/19

にゃん吉

5
著者が視察した英、独、仏、蘭、露、伊等々の欧州の監獄事情を記録。通気や採光を中心とした衛生環境(疫病の蔓延、劣悪さの極みとしての地下牢の存在)、食事、足枷等の拘束具、施設内での労働、懲罰、拷問に、年齢、性別、犯罪傾向等を考慮しない収監、囚人に負担させる費用、手数料の存在等々の、著者の問題意識が捉えた監獄事情の詳細が記録されています。現代から見て特異な制度である債務囚について註解があればよかった。個別には、フランス革命間近の頃のバスチーユ監獄、異端審問所、宗教監獄、ガレー船の様子が知れたのがよかった。   2023/02/26

刳森伸一

2
1770年代、ヨーロッパの監獄を視察したベッドフォードシャー州長官ジョン・ハワードによるレポート。抄訳で、監獄の改善案の部分は省略されているため、当時の監獄事情という側面が強い。当時の人権意識のない監獄内の悲惨さは目に余るものもあって、やはり人権意識は大事だと強く言いたい。読み物としても面白く、色々と知見も広がる良書だと思う。2019/11/21

isao_key

2
著者は1770年代から1780年代にかけて母国のイギリスはもとより、ヨーロッパの多くの国の監獄を実際に訪ねて回った。そして劣悪な環境や制度の改革を訴えた。通常訪れたいとは思わない監獄を何度と無く調査に赴き、自らも生命を落としかけるような危険にあっている。解説によると、最後はロシアで伝染病の治療にあたっていたところ、自らも感染して亡くなったという。驚いたのが、当時のイギリスやスコットランドの監獄内に酒場があり、囚人は金を払ってアルコールが飲めたという。またその酒場の経営を、看守がしていたというからなお驚く。2012/11/30

てつこ

1
18世紀欧州の監獄での状況を細かく観察し記録した内容。人道主義の観点から改善を提言している。オランダのラスプホイス、スピンホイスという囚人に労働をさせる施設に興味あり。本書でも模範的な施設として挙げられている。監獄内に酒場が設けられていたり、挨拶金や手数料の支払いが必要だったりといった、現代との制度の差異が面白い。2019/08/04

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