内容説明
禅門内外の典籍から広く集めた禅語のアンソロジーともいうべき禅林句集は、室町期から次々と編まれ、心の指針を与えてくれる金句集として、禅僧には禅語に習熟するための手引きとして読まれてきた。今回、約三四〇〇の秀句を選び、字数順、五十音順に収めた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
6
短い字数1,2,3,・・・17字以上と増えていく。本著は、頭が混乱したりしたら、心を落ち着かせるために読むための本であろう。6字の「富は家を潤し、徳は身を潤す。(大学)」(117ページ)は、その通りだ。8字の「学人今日、小出大遇」(160ページ)は、想像だが、学者というものは現代、あまり出てこない癖に待遇だけはいい、という意味だったのか。10字の「家貧にして未だ是れ貧ならず、道貧にして人を愁殺す」(199ページ)。この解釈は、我流だと貧しいという世帯主は貧しくなく、進路がわからないので人は過ちを犯す、か?2012/12/19
零水亭
4
著者は朝比奈宗源師(時代劇「水戸黄門」の題字でも有名)のお弟子さん。解説で入矢氏の『臨済録』(岩波文庫新版)にケチを付けている。旧版を担当していたのが師匠の朝比奈師だから気持ちは分かるが、嫉妬にも見えてしまい、明らかな蛇足。 本篇に関しては、注釈がない、異例の構成だが(それでも充分厚いが)、「出典や正確な語釈よりも自分の禅体験に活かしなさい。そのためのアンチョコと割り切って使いなさい」と言う趣旨か。それでも、禅僧が自己流の解釈を披瀝して、中国文学専門家からツッコまれ恥をかかないか、余計な心配をしてしまう。
紅林 健志
1
貞享版『禅林句集』の句を抄録したもの。注などもほぼない。禅語の出典を調べるために買ったけど、抄録だからいまいち役に立たなかった。どういう層向けなんだろう。2015/12/02
ちばなな
0
禅語の解説集かと思いきや、本当にただの句集だったというレベルの高すぎる本であった。僕には早すぎました。2012/06/21