出版社内容情報
易・書・詩・礼・春秋の五経の第一にあげられる古典で,周代に大成されたから周易ともいう.宇宙・人生のすべてを陰陽=爻(こう)の変化によって説明し予言する書物として,東洋思想の根幹をなす哲学書でもある.今日の易学はこれを祖述したものだが,難解なこの書物を一般の読者にも十分味わえるよう懇切な解説を付した.
内容説明
下巻には咸卦から未済にいたる34卦を収め、巻末にいわゆる十翼のうちから「繋辞上伝」「繋辞下伝」「説卦伝」「序卦伝」「雑卦伝」の5篇を採録した。占筮のよりどころである卦爻辞や「繋辞伝」等で、天地自然および人間界のさまざまな変化のうちにひそむ不変の法則をよみとり、天地人の生々発展の神秘を予見しようとする哲学的思弁が展開される。
目次
周易下経・附彖伝・象伝(咸;恒;遯 ほか)
周易繋辞上伝
周易繋辞下伝
周易説卦伝
周易序卦伝
周易雑卦伝
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ビイーン
30
森羅万象を陰陽の変化によって説明し予言を試みる東洋哲学の本。岩波本は難易度が高く、通読しただけでは分からん。再度、平易な本を読んでから本書を再読すれば理解がより深まるか。2018/12/24
まふ
12
下巻は上巻30爻の解説、後半は残り34爻の解説である。8卦の組み合わせが論理的であり、かつ納得的である。完読にずいぶん時間がかかった。一生の宝物を手に入れたと思う。何と人生は奥深いものではないか。2000/12/21
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺
6
”易”は道教思想が濃厚だったが、”易経”となると儒教思想と成る。ある作家が言うには「易経は儒教が道教を馬鹿にするために書いたもの」とのことで、「本文より長い注釈を加えて儒教の経典にしてしまった」訳だ。その真偽もまた置いて、角川ソフィア版は道教解釈、岩波版は儒教解釈なので、それぞれ読み方は変わってくる。前者は哲学と占い、後者は哲学と人生訓だ。また、原理的な事物をごく短い言葉で象徴的に表現しているため、その辺りを読み解くにも流儀があり、様々な流派が存在する。なお、本来は陰陽師の聖典だった。
記憶喪失した男
5
中国古代科学。「解」が雪解けを意味するのが印象的。なんか好きなことばになりそう。もともとは王朝が交代する革命の根拠について知りたくて読んだのだが、そういうことは書いてなかった。2018/02/28
CCC
4
二元論であらゆる物事の属性と流れを説明しようとしている……のかな。しかしその方法はなんだか連想ゲームみたいだった気もします。ともあれこれで四書五経読破。これが最後になりました。個人的に面白かった順は礼記>中庸>詩経>論語>易経>春秋(左氏伝)>大学>書経>孟子。機会があれば読みなおしたり、解説書入門書に手を出したりしてみたいです。2016/02/07