出版社内容情報
易・書・詩・礼・春秋の五経の第一にあげられる古典で,周代に大成されたから周易ともいう.宇宙・人生のすべてを陰陽=爻(こう)の変化によって説明し予言する書物として,東洋思想の根幹をなす哲学書でもある.今日の易学はこれを祖述したものだが,難解なこの書物を一般の読者にも十分味わえるよう懇切な解説を付した.
内容説明
いわゆる五経の第一にあげられる中国古典で、周代に大成されたから『周易』ともいう。宇宙・人生の森羅万象を陰陽=爻の変化によって説明し予言する書。東洋思想の根幹をなす哲学書でもある。本文庫本は原文・読み下し文に現代語を付して一般の読者にも味読できるようにするとともに、『易経』の根本思想を中心に懇切周到な解説を加えた。
目次
周易上経・附彖伝・象伝(乾・附・文言伝;坤・附・文言伝;屯;蒙;需;訟;師;比;小畜 ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ビイーン
29
占い本ではなく東洋哲学の経典として繰り返し読みたい。「子曰く、我に数年を加し、五十にして以て易を学べば、以て大過なかるべし」2018/11/03
冬佳彰
14
本棚整理計画遂行中。大学時代、ユングの著作の中で触れられているのを読み、「ほー」と思って入手した本だな。ユング自身は実際に三枚の硬貨を使った方法で占っていたようだ。占いのほうはまったく分からないが、俺は歴史的に積み上げられた、事象が変化するパターン集みたいなものと理解した。八卦がそのベースで、森羅万象がマッピングされ、六十四卦は、八卦同士の組み合わせと位置関係により状況みたいなものを表現する。念のいったことに、変爻というシステムで時間性まで取り込んでいる、と(かなり勝手な解釈)。(続く)
まふ
13
これまでこの著を読まずして一体何を読んでいたのであろうか、とさえ思う。陰陽の成り立ち、天地人の構造、八卦の中身、六四卦の内容等、全てが新鮮で面白い。何よりもわくわくするのは、この著が中国最古に属するものであるということ、つまり、周の文王、周公の解釈になるものであり、ということは、それ以前に作られたものであるということである。孔子も老子もここより出発しているということが何よりも嬉しい。中国古典の淵源に辿り着いたというべきであろうか。2000/12/11
Mentyu
7
陰陽2進数の六十四卦を用いて森羅万象の動きを洞察する。コンピュータ登場以前によくここまで発想したなと純粋に驚く。ただし、六十四卦のテキストは君子としていかに身を処すかという人生訓のようなものであり、システムの凄さに圧倒されながらも、読み進めるのは「おみくじ」の羅列を見るのと似た気持ちになる。冒頭には解説が付いており、少し難解ではあるが、ここだけ読めば易経の由来はもとより、システムや考え方についてもある程度は把握することができる。2018/08/17
記憶喪失した男
7
中国古代科学。物理学であり、二進法の数学であり、計算機科学の起源である。心理学でもある気がしていたが、本書にはそんなことは書いてない。「飛竜」という単語が見られるが、天に飛竜が登って帰ってこないという。何のことなんだろう。飛竜の概念は易経にまでさかのぼるし、竜って何なんだろう。 2018/02/28