岩波文庫
柳宗悦 妙好人論集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 307p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003316979
  • NDC分類 180.4
  • Cコード C0115

出版社内容情報

「妙好」は元来「白蓮華」を意味する語で,泥の中に育ちながら浄い花を咲かせる蓮華のように,浄らかな信心をもつ信徒を「妙好人」と呼ぶ.民藝運動のバックボーンとして「他力道」の思想に到達した柳宗悦は,そのよき実例を妙好人の中に見出し,彼らの意義を熱っぽく説いた.「仏教に帰る」「源左の一生」等二二篇を収録. (解説 中見眞理)

内容説明

「妙好」は元来「白蓮華」を意味する語で、泥の中に育ちながら浄い花を咲かすハスのように、浄らかな信心をもつ信徒を「妙好人」と呼ぶ。民芸運動のバックボーンとして「他力道」の思想に到達した柳宗悦は、そのよき実例を妙好人の中に見出し、その意義を熱っぽく説いた。「仏教に帰る」「源左の一生」等22篇を収録。

目次

仏教に帰る
徳川時代の仏教を想う
真宗素描
真宗の説教
仏教と悪
地蔵菩薩のことなど
色紙和讃について
妙好人
妙好人の存在
妙好人の入信
信者の答え
宗教と生活
弥陀信仰
源左の一生
信女おその
受取り方の名人
「応無所在」の話
馬鹿で馬鹿でない話
妙好人の辞世の歌
『市太郎語録』紹介

凡人と救い

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

14
西洋から学ぶべきものは、独自の世界を開拓するまでの準備でよい。学んだものを自己のものとし、他人への贈物とせねばならぬ(23頁)。一方、西洋も東洋から学ぶことが多くあろうと。西洋から東洋日本に対する、異文化からの学習のあり方を考えさせられる。あたかも、夏目漱石「現代日本の開化」に似る。人間の謙虚さ。へり下る心、謙遜の態度(182頁)。俺が、私が、と我欲が出過ぎて昨日の選挙結果は選挙民の妥当な判断が示された。俺が、私が、だけでは社会はいつまでもまとまらない。才不才、学無学。凡人は凡人のままでいい(280頁)。2013/09/30

浅香山三郎

10
10月の初め帰省先の古書店にて入手。丁度、手元に読む本をもつていなかつたので、買つたのだらう。柳宗悦は鈴木大拙繋がりで少し関心はあつたが、読むのははじめてであつた。大拙の『日本的霊性』とも相通じる内容で、大拙とはややことなつた視座から、阿弥陀仏への帰依を徹底させた市井の人々(妙好人)の群像を描く。解説によると、妙好人のあり方については、体制順応的な態度ではないか、さういふものを果たして評価すべきだらうか、といふ批判もあつたやうだが、柳の試みは日本的な浄土思想の独特さをよく捉へた著書ではないかと思ふ。2023/10/14

nbhd

9
イム本!!!南無阿弥陀仏の極致というか、念仏者がイクところまでイクと、そうなっちゃうのぉ!というのが妙好人だ。著者が「馬鹿で馬鹿でない」と書くように、分別ある標準のアタマからすると、このひとちょっとヤバいんじゃね?とも思わせる妙好人のエピソード、ことばのひとつひとつが衝撃的だった。ガルシア・マルケス「百年の孤独」のなかで、街の娘が急に昇天するエピソードが大好きで、そのときは「ぬお〜」と思ったけど、それを上回る「ぬおおお〜」があった。南米のマジックリアリズムに対抗すべく、日本の妙好人リアリズムを称揚したい。2016/07/14

kera1019

4
真宗の思想が妙好人によってゆっくり且つ深遠と染み広がっていく感じがよく分かる。妙好人の生活や言葉が念仏の教えに徹し切っているからこそ、その存在が浄土教の法門を価値づけるものである。「真宗素描」では現在の真宗の世襲制による説教者の「僧而俗」的な立場への批判をし寺を放棄して道場に還元して再出発せよとまで透徹していて著者の他力宗の境地に対する探求心が伺える。2013/03/25

すばる

2
柳宗悦の本を読んでいて妙好人という言葉を知った。いつ読み終わったか、半年くらい過ぎているので記憶は曖昧だが、在野で信仰篤く、生業にいそしむ人というイメージが残るが、合っているだろうか。民芸と通底するものがある。日々の暮らしの中で使われる名も無い人々によって生み出された民芸。知恵や知識でなく、その篤い信仰によって、厳しい日々の暮らしに喜びを見出そうとする妙好人。そんな印象を残した本。2024/02/02

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