岩波文庫<br> 国史上の社会問題

岩波文庫
国史上の社会問題

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  • サイズ 文庫判/ページ数 205p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784003316634
  • NDC分類 210
  • Cコード C0121

出版社内容情報

明治維新の原動力を「下級武士の努力や町人・百姓の自覚」とみるなど,歴史を英雄豪傑の個人的営為としてではなく,時代を動かした社会諸階級の運動とそれを体現した個性との葛藤のなかで把えて,日本史を通観し,日本社会史研究の道を切り開いた名著である.山城国一揆の意義を論じた「戦国時代の国民議会」を付す. (解説 朝尾直弘)

内容説明

明治維新の原動力を「下級武士の努力や町人・百姓の自覚」とみるなど、歴史を英雄豪傑の個人的営為としてではなく、時代を動かした社会諸階級の運動とそれを体現した個性との葛藤の中で捉えて、日本史を通観し、日本社会史研究の道を切り開いた名著。山城国一揆の意義を論じた「戦国時代の国民議会」を付す。

目次

緒言
上古の社会問題
中古の社会問題
鎌倉時代の社会問題
室町時代の社会問題
豊臣時代の社会問題
江戸時代の社会問題
戦国時代の国民議会

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みさと

3
大正時代に行われた、大阪懐徳堂における講義録。第一次大戦後の世界史的大転換期であり、国内では普選運動や労働運動、米騒動の発生など社会問題が大きくなってきた時期であることを示す題名になっている。班田収授法を国家社会主義的政策と言い、武士を地主の中産階級と言い、凡下を無産階級と言う。一揆を貧民の社会運動、階級闘争と断じ、山城の国一揆を国民議会と表現する。現代語で歴史をズバッと断ずる面白さと同時に、社会を変革する原動力を民の自覚と覚醒に求める視点が、英雄史観とは異なるものの見方を現代の我々にも示し、迫ってくる。2021/01/14

にゃん吉

2
著者が、大正8年から9年に、大阪の懐徳堂で講演した内容をまとめたものとのこと。著者は、本邦社会史の草分け的な人とのことで、講演の内容は、班田制、荘園等の土地制度の話、徳政令、土一揆、山城国一揆に、百姓一揆といった話が並んでいます。戦後の教育を受けている私から見ると、高校までの社会の教科書で見たことがある話ばかりということにもなるのですが、戦前の学校の国史では、ほとんど取り上げられていなくて、当時としては、珍しい話ということだったものと思われます。本邦社会史の源流に触れられた点は興味深くありました。   2021/03/15

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