岩波文庫
鎖国〈下〉―日本の悲劇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 322,/高さ 16cm
  • 商品コード 9784003314449
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0121

出版社内容情報

太平洋戦争の敗北によって「実に情けない姿をさらけ出した」日本民族の欠点――「科学的精神の欠如」――への反省の試みとして企てられた壮大な歴史的考察.新航路・新大陸発見による「世界的視圏の成立」という大きな歴史的展望の中で,西洋近代文明との出会いを自ら鎖した日本の知的悲劇が活写された名著. (解説 生松敬三)

内容説明

ポルトガル人・スペイン人の新航路・新大陸発見による「世界的視圏の成立過程」を述べた前篇を承け、後篇はポルトガル商人の漂着で世界史の舞台に登場した日本の情勢から説きおこされる。ザビエル、フロイスらの布教活動によるキリシタン運動の最高潮も束の間、日本は「鎖国」への道を一挙に突き進んでいく。

目次

後篇 世界的視圏における近世初頭の日本(承前)(ビレラの畿内開拓;九州諸地方の開拓;京都におけるフロイスの活動;九州北西沿岸地方における布教の成功;ルイス・フロイス―和田惟政―織田信長;信長の伝統破壊;京都の新会堂「昇天の聖母」の建立;キリシタン運動の最高潮;鎖国への過程)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

7
高山ダリヨは、キリシタン客人には未知の人にも親戚のような振る舞いと、貧者への衣食給す。遺族へ世話。貧者の葬儀を盛大に行った(163ページ)。なかなかできたことではない。17世紀は学者として中江藤樹、熊沢蕃山、伊藤仁斎、文芸家として西鶴、芭蕉、近松、画家として光琳、師宣、舞台芸術家として竹本義太夫、初代団十郎、数学者の関孝和など、壮観だという(304ページ)。彼らの著作にも触れる機会をつくりたい。国家がひきこもるとは、外交交渉、人的交流、貿易など、大きな悪影響が出たのも事実ではないか。匙加減、塩梅が大切か。2012/12/28

黒い森会長

2
後半は、切支丹布教史。キリスト教の布教が、結果鎖国を生む。西欧のように海外に飛躍しなかったのは、「ヘンリ王子」の精神がなかった、とのこと。さて問題なのは、なぜ筆者はここまで詳しくキリスト教の伝来、布教の活動を記述したのか。結論とこの記述のアンバランスがこの書の謎である。 キリスト教伝来史、大航海時代の航海史、として読めば、面白い本である。2017/05/18

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