出版社内容情報
マルクス主義の立場から,日本資本主義の生成・発展を分析した最初の日本資本主義発達史.その後のマルクス主義理論,特に日本資本主義発達史研究に大きな影響を与えた記念碑的著作.従来の岩波文庫版では省略されていた二論文を補い,初版(一九三○年刊)の構成を再現して刊行.島木健作の回想文を付す. (解説 大石嘉一郎)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
14
現代の学会でいうと、土地制度史学会の扱うようなテーマだと悟った。マルクス主義経済学のいうところの、資本の原始的蓄積(いわゆる、原蓄)は収奪なくして果たし得ない(87頁)。搾り取る、取られる、という一方的な関係で、本来の労賃を剰余価値としてしまうのは、超格差社会を生む、ブラック企業のただ働きや長時間労働、単価の極限までの切り刻みにも反映されているかのようだ。2014/01/22
はづき
10
解説にある「現実への強烈な問題関心と真摯な学問的態度でもって研究を進める中で、日本の客観的過程にそくしてマルクス主義の理論を自らの思考で再構成し、マルクス主義の理論を創造的に発展させていった」過程を感じて胸アツ。それは、労働者が常に日本の歴史の現実問題に関心を向けていたことからの出発だったことにも感じるものがある。2019/10/31
シンドバッド
1
再読に値する。2013/01/30
冬至楼均
1
ソ連が崩壊した今となっては果たしてどれほどの価値があるのか…。2010/09/13