岩波文庫<br> 美しい夏

個数:

岩波文庫
美しい夏

  • ウェブストアに3冊在庫がございます。(2024年04月20日 05時46分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 文庫判/ページ数 206p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003271421
  • NDC分類 973
  • Cコード C0197

内容説明

都会で働く一六歳のジーニアと一九歳のアメーリア。二人の女の孤独な青春を描いた本書は、ファシズム体制下の一九四〇年、著者三一歳の作品。四九年にようやく刊行され、翌年イタリア最高の文学賞ストレーガ賞を受賞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

255
タイトルは夏を謳いあげるのだが、読了後に回想されるのは、狭いアパートの1室で毛布にくるまったり、ストーヴを燃やしたりする寒そうなシーンばかりだ。そして、それはまた即座にプッチーニの『ラ・ボエーム』を想起させる。あるいは、この小説に着想を与えたかも知れない。夏の輝きが感じられないのは、ジーニアもアメーリアもともに都会の孤独の中にいて、愛が得られないからだ。男たちは所詮ボヘミアンである。また、イタリアという先入観からか、心象を含めた情景は後年のネオ・レアリスモを想わせ、モノクロームの映像までが浮かんでくる。2015/02/27

buchipanda3

101
「あのころはいつもお祭りだった…もう夢中になれたし、何もかも美しくて」。戦時の頃、イタリアの都市に住む二人の未成年の女性が大人へと踏み込もうとする姿が描かれる。その心情描写が繊細ながら余計な飾り気のないもので、むしろ確かな重みのある思いとして胸に響いてきたのがとても印象深かった。ジーニアは三歳年長のアメーリアの姿を追う。自分と彼女を比べて一喜一憂するが、自分の未来と対峙しているかのように心を乱すところが印象的。でも最後に二人が言い合った言葉、それは何もかも美しいと思える人生の季節を越える意味を感じさせた。2023/08/28

どんぐり

79
イタリアの詩人で作家のパヴェーゼが1940年に遺した作品。刊行は1949年。翌年イタリアの文学賞ストレーガ賞を受賞。その2か月後、彼は服薬自殺を遂げている。本書は16歳のジーニアが年上のやや成熟した女友だちアメーリアにひかれて、少女から女へと変貌していく青春小説。ジーニアは、画家のモデルの仕事をしているアメーリアに、「画家があなたを画いているところを見たいの。まだ色を混ぜているところを見たことがないの、それはきっと美しいにちがいない」と頼み込み、画家のグィードと出会う。画家のアトリエに足しげく通うジーニア2015/08/06

zirou1984

57
孤独とは一人の心の中ではなく二人の距離の間に生まれるものであり、時に距離に反比例して大きくなることもあるものだ。親しい人であれ、大切にしたい人であれ、近づこうとすればする程大きくなるその感覚には誰もが覚えのあるものだろう。本書が祭り日和な夏の喧騒から始まりながら、絶えず孤独の諦観が透けて見えてくるようなひとつの恋の物語は、無垢な少女がそんな孤独を受け入れ独りの女として羽化する瞬間を描き切っている。平易かつ明瞭ながら、目を離すことのできない危うさや繊細さを損なうことのない文章と訳文が本当に素晴らしい。2014/08/26

えりか

53
どれくらい孤独な夜を過ごせば大人になるのだろう。どれくらい恋に傷つけば女になるのだろう。何もかもが煌めいていた青春は、夏のようにあっという間に過ぎてしまう。「美しい夏」は一瞬の煌めき。16歳のジーニアは友達で憧れで嫉妬もしている19歳ですでに「女」のアメーリアの後を追うように女になっていく。ジーニアはアメーリアであり、アメーリアはジーニアなのだと思う。対照的な二人を通して都会の少女たちの孤独な寂しさや焦燥が伝わってくる。もう戻らない青春の記憶が思い出され、一人赤面するとともに、胸が少しだけきゅっとなった。2016/08/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/381564
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。