出版社内容情報
チェーホフの一幕物は,彼の芸術をとく鍵である「笑」の研究のために逸することのできない貴重な材料であり,かつその劇的精神と舞台手法とをはっきりと示すものである.本書には9篇の一幕物を収める.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ウイロウ
7
「路上」「白鳥の歌」「煙草の害について」「熊」「結婚申込」「タチヤナ・レーピナ」「餘儀なく悲劇役者」「結婚披露」「記念祭」の全九篇。チェーホフといえば四大戯曲だが、読み終えた後不思議と筋が頭に残らない。その点、一幕物は単純明快。とりわけボードビルと呼ばれるドタバタ喜劇が面白くて、「結婚披露」や「記念祭」で事態が紛糾し、最後は人々が大混乱に陥るあたり、プロットの妙につくづく感心させられる。「煙草の害について」「餘儀なく悲劇役者」はともに夫の悲哀を伝えて良い。正字正仮名の古い翻訳ながら、これはこれで味がある。2016/08/17
kaikoma
4
旧仮名遣いの邦訳は趣きが有りますが、その分難しく、ストーリーが分断されました。一幕ものだからか、多くの登場人物が入り乱れるSlapstickよりは、モノローグ主体の作品の方が好みでした。都度出てくる「露西亜語で話しています」という言い回しは良いですね。2021/07/23
イタロー
3
『煙草の害について』を聴 シチュエーションコントだった笑2022/08/14
真塚なつき(マンガ以外)
1
「煙草の害について」を読みたくて。元の話題も忘れて脱線に次ぐ脱線、溢れるのは愚痴ばかり。ああ悲しきは父親よ。2010/09/30
シンドバッド
0
チェーホフには、米川正夫訳は ふさわしくない気がする。2004/08/14