岩波文庫
懺悔

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  • サイズ 文庫判/ページ数 154p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003261903
  • NDC分類 983
  • Cコード C0198

出版社内容情報

『懺悔』は一大回心の記録である.大作『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』を著わし名声の絶頂にあったトルストイ(一八二八‐一九一〇)は,自らの人生の意義について烈しい疑問にとらわれ,これまでの生活・著作・価値観などの一切を否定し,新しい信仰にめざめてゆく.苦悩する自己の姿を赤裸々にさらけだした真摯な魂の軌跡.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たつや

12
トルストイは幼少期に洗礼を受けていたが、実は信仰心に厚くはなかったという、告白から、中学時代に友人が「神はいない」というニュースを持ってきて、みんなで議論した話などを踏まえたうえで、トルストイの信仰にたいする思想などを赤裸々に綴った作品と感じました。一読では理解できませんでしたので、あと、2~3回読みたいと思います。深いです。2016/04/14

アーサー

9
2周目◆幼年時代に洗礼を受けたトルストイ。10代の彼はその信仰の非合理性に気づき、捨てた。次に手にした信仰は《進歩》だった。すべてはより良くなっていく。青年時代の彼にはぴったりきた。公開処刑、兄の死。本当に世の中は良くなっていくのか?再び信仰を捨て、生活は停止した。人生とは何か?-人生とは無意味なものである。学問に望む答えはなかった。生きるヒントは民衆にあった。人生とは何か?その答えには自分の生活が反映されるのだ。生活を変えた。信仰の中に真理があるのは事実だが虚偽が混ざっている。彼の研究は続く2022/12/18

アーサー

8
通読◆これはめちゃくちゃ面白い◆「なぜ人は生きるのか」という"他愛のない小児から思慮分別の十分についた老人に至るまでの、すべての人の心の中に横たわっている、最も単純な疑問"について、(文字通り)死ぬほど考えたトルストイ◆現代なら「中二病」の一言で片付けられてしまいそう。しかしこの本は思い出させる:多くの人にとってその病は完治したのではなく、それについて考えるのをやめただけだと。曖昧さや矛盾を嫌うトルストイは考え続けた◆身近な人の話題が少ないのが気になる。話は完結していない。次作は全集に収録されているらしい2022/12/02

アーサー

7
初読、25分。解題を読んだ◆1935年発行。訳は原久一郎さん。原著は1882年発行◆トルストイの苦悩の深さと思考の跡が生々しい。死に誘惑されながらも思考を続け、神とは「これなしには生きて行かれない者その者である。(略)神はすなわち生そのものである」との結論に至る。そして生きる力を取り戻す◆一見すると鬱や躁を疑う。しかし、緻密な思考を長期間続けていることは、それと矛盾しそうだ。本文も楽しみ◆図書館本。出版社のHPで品切れになっている。古い本なのでとても字が小さい(1985年 第41刷)2022/11/25

tokiniwa

6
生の意義を求めずして日々を過ごす人々がいかに多いことか。形而上学もそのためにあるが、空理空論を弄んでも虚しいだけである。生の意義を知ってこそ、生の充実はある。晩年の苦悩が看取できる一冊である。2013/08/16

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