出版社内容情報
ケーベル博士が「私の無条件に好きな作家だ」と言ったA.K.トルストイ(1817‐1875)は,19世紀中葉のロシアの劇作家であり詩人でもあった.ドン・ジュアンは美しい女性から美しい女性へと,女を誘惑してゆく.しかし作者は,主人公をファウストと同じく「永遠に女性なるもの」にひかれ,ついに真実の愛を知り魂の救われる者として描いている.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
茅野
1
ロシア・ロマン主義とドン・フアン伝説の融合。モリエール以降の無神論者的性格を天使と悪魔の駆け引きに求めるのは些か不憫な気もするが、それと同時に最も救いがあるドン・フアン文学かもしれない。2020/01/14
Chunko
1
ものすごく原文が読みたくなった。少なくとも日本語の文で使っている単語は私の好きなのだったけど、原文はどうかなあ。(白銀公爵は難しすぎるのだー!)1993/12/09
刳森伸一
1
ドン・ジュアンの物語にゲーテの『ファウスト』のエッセンスを注ぎ込んだような劇詩。ドン・ジュアンが(宗教的な意味で)救われるのは、数あるドン・ジュアンの物語の中でも珍しいのではあるまいか。その救われる直接の原因が愛する女性からの一言であることに言葉の重みを知る。2013/05/29
NA
0
愛を欲望し地上にも天国を求めて罪を犯し続けるドンジュアン。彼は神に愛された者だったが、美しさ故に堕天使にも選ばれ、かつての堕天使と同じように堕落させられていくことになる…という始まり方。愛を疑いすぎて幸せになれない可哀想な人だった。あと天使と悪魔のやりとりが好き。情緒的で。2016/08/05
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