岩波文庫<br> オランダ・ベルギー絵画紀行―昔日の巨匠たち〈下〉

岩波文庫
オランダ・ベルギー絵画紀行―昔日の巨匠たち〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 339,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003257937
  • NDC分類 723.358
  • Cコード C0171

出版社内容情報

小説『ドミニック』でフランス文学史に不朽の名をとどめるフロマンタン(一八二〇―七六)は,また同時に画壇に名をなす画家でもあった.本書は彼が敬愛してやまぬリュベンスやレンブラントら巨匠の作品を親しくその故郷の地にたずね,画面の前に立った印象を巧みな筆でつづった美術紀行.図版多数.

内容説明

見巧者フロマンタンの筆にみちびかれ、われわれはいたずらな先入観や解釈にとらわれることなく画面に立ち向かい、技法の持つ力に目を開かれ、絵画芸術へのいっそうの理解を深めてゆく。プルーストもかの地を訪れるに際し携えたという美術批評の名著。

目次

オランダ(ライスダール;カイプ;フランスの風景画に対するオランダの影響;〈解剖学講義〉;ハールレムのフランス・ハルス;アムステルダム;〈夜警〉;シックス・コレクション、ファン・ローン・コレクション、そしてルーヴル美術館のレンブラント;〈布地組合の見本鑑査官たち〉;レンブラント)
ベルギー(ファン・エイク兄弟とメムリンク)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

333
下巻は、その総ページ数の半分近くをレンブラントに費やされている。レンブラントには興味もあるし、なにしろ17世紀からフロマンタンの生きた19世紀末あたりまでフランドルはおろか全ヨーロッパ絵画史上でも屈指の大画家だったのだから。ところが、どうしたことかフェルメールについては一言も述べられてはいないのだ。フロマンタンの趣味ではなかったのか、あるいはこの時代にはまだそれほど注目されていなかったのだろうか。なお、私自身の趣味からすれば、この地方の近世ではフェルメール、ルネサンス期ではブリューゲルとファン・アイクだ。2019/02/10

KAZOO

105
下巻ではかなりの部分をレンブラントの説明にされています。読んでいて高校時代に読んだ矢代幸雄さんの評論を思い起こしました。ライスダール(ルイスダールの方が通りがいいのですが)、ハルスについても書かれているのですが、フェルメールについてはないのでむかしは今ほどそんなに評価されていなかったのでしょうか?上下巻で図版が180くらいあるので文庫本でなくてもいいのですがカラーで再版してくれないでしょうか?2019/05/02

mm

21
下巻はレンブラント讃歌みたい。オランダ絵画的でないオランダの巨匠レンブラントの実生活は、ルーベンスと異なり超地味。でもどこが偉大かということを、フロマンタンはどこがパッとしないかの説明から初めて結論に持っていくとこがすごい。技法についての知識があるので、感覚論にならないんだね。フロマンタン先生は『本物の情景を本物でない光で照らすこと。事実に幻影の理想性を与える』事がレンブラントのオリジナリティという。意識の部分と無意識の部分を同時に扱おうとしたようにも見えるな。この著作時フロイト先生ももう生まれてたし。2017/07/05

壱萬弐仟縁

16
ライスダール≪滝のある風景≫(31頁)。躍動感が感じられる。水しぶきが鑑賞者にも飛び散ってきそうな迫力を感じる。2013/10/01

あくび虫

6
レンブラントの表現が面白かったです。というか、それしか覚えていない(笑)この人物像を膨らませて、一本書いて欲しいところ。ーー基本的には、専門的な話が多くて理解が難しいです。ただ、純粋に美術評論をしているわけではないので、付いてはいけます。知識がある人にはすごく興味深いのでしょうね。2017/03/25

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