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岩波文庫
モーパン嬢〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 336p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003257456
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

内容説明

画家であり詩人である青年ダルベールを虜にした騎士テオドールの正体は?精妙巧緻にからみあう熱烈な二重の愛の物語は、破格の小説技法と華麗な描写で世間の意表をついた。「序文」は若きゴーチエがロマン派の宿敵に投じた芸術至上主義宣言として名高い。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

70
芸術美崇拝と理想の愛の夢を綴った作品。何より目を引くのがロマン派の宿敵に投じた長大な序文。「真に美しいものは、何の役にも立たないものに限られる。有益なものはすべて醜い」—芸術の目的は「美」以外存在しないと芸術至上主義を宣言するその言い回しには絢爛な装飾がくどいくらいに施されており、若き著者の迸る情熱や強靭な意思が溢れかえっている。物語も当然耽美的な世界観。序盤は愛人ロゼットと仲睦まじく暮らす詩人ダルベールの満たされない思いが語られる。ロゼットの愛らしさとダルベールの浅はかな女性観のギャップがまた強烈だ。2017/12/15

noémi

8
岩波にしてはキレイな表紙だったので読んでみたが…。一番苦手な類の本。デカダンあるいは耽美主義の本でした。何が「マドモアゼル・ド・モーパン」なのか。最初の序文はこの本には関係ないらしく、多分読んでも全く理解できなさそうなので読まず。次はダンベールという男の長々長々とした書簡で始まり、ほとんどロゼットという女と自分の恋のみを書き綴っているだけ。ところがですね、そんな彼等の前に、目の覚めるような美貌の騎士テオドールが現れました!ってところで上巻は終わる。この美青年はもしかして…。と少し期待させられました。2011/12/22

もち

6
序文は、当時の情勢についての注なしには読めず、なるほどと面白く読める箇所も多かったが、理解が及ばず退屈に感じてしまった。多くの芸術作品の知識を前提としていて、注があっても厳しい。文体がすばらしい。ぜひフランス語か、またはせめて英語で読みたい。内容は耽美派の系列のようで、三島やワイルドの好きな私のなかなか好みだった。『ドリアングレイの肖像』の芸術論はこの本の序文の要約ともいえることが、解説で指摘されているが、読んでいてそれは感じた。下巻を読むのが楽しみである。2015/10/21

ラウリスタ~

6
ゴーチエ一冊目。18世紀前半。ゾラがまだ生まれていないころ。序文に、道徳を振りかざして小説家、詩人を攻撃する批評家を攻撃しているが、確かに時代を考えるとかなりわいせつな内容ではある。ヒロインが体はたくさんの男に許したけれども心は乙女よ といっていたり。いまではなんでもない表現が許されるようになるには大変な壁を乗越えなければならなかったのだと実感。このおかげで現代人も聖人君子列伝のようなものを読まずにすんでいるのだからありがたい。東京都が勧めている漫画規制のことについて考えてしまう。2011/01/25

Satoru Kobayashi

4
『われわれの生存の効用を「先験的に」認めるとして、人間の生存を支えるのに現実的に有益なものは何か?日に二度のパン入りスープと一切れの肉、文字どおり厳密な意味での腹を満たすのに必要なものはそれだけだ。』 『真に美しいものは、何の役にも立たないものに限られる。有益なものはすべて醜い。何らかの欲求の現れだからだ。一軒の家のなかで、何よりも有益な場所は便所である』2017/12/07

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