岩波文庫
ベラミ〈下〉 (第19刷改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 300p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003255049
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

出版社内容情報

大学入試試験に失敗して兵役に服したジョルジュ・デュロワは,除隊後ふとしたきっかけで,兵隊仲間の成功者のフォレスチェに出会い,ジャーナリズムの世界に入る.天成の美貌を武器に,彼を「ベラミ」と呼ぶ女性たちの力を利用し,パリの新聞界に栄達を遂げる.この男のシニカルな行動を明晰な文体で描いた自然主義小説の典型.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

467
我々読者は殺人者となったジュリアン・ソレルにも共感することができる。また、いわゆる「女誑し」のドン・ジュアンをも許容することができる。ところが、本編のジョルジュ・デュロワは、そうではない。少なくても私はそうだ。男の風上にも置けない奴などと、古臭い感想を持ってしまうのだ。自身の容姿だけを武器にド・マレル夫人、マドレーヌ、ワルテル夫人を次々に篭絡し、最後はシュザンヌと結婚し、まんまと地位と財産とを手に入れるのであるから。もっとも、それこそがまさにモーパッサンのリアリズムなのだとすれば、返す言葉がないのだが。2016/07/31

遥かなる想い

212
女を踏台に成り上がる男の物語が続く。 ひどく世俗的な考えが充満しているこの物語.. 世間体と階級と見栄が重要な階級の世界..著者の意図はどこにあるのだろう。 まるで上流社会の風刺小説のように、 夫人たちは誘惑され、落ちていく.. デュロワの奔放な振る舞いだけが目立つ ジゴロなお話だった。2016/08/07

syaori

37
上巻ではまだまだ要領が悪かったり、女性に対して初心は反応を見せていたジョルジュも下巻ではいっぱしの色事士に。ド・マレル夫人、マドレーヌ、ヴァルテール夫人と女性たちを利用して地位も金も手に入れていく過程は、恋の駆け引きに利害が絡んで面白いです。作者は「読者の前に一粒の悪漢の種子」を置いたのだといっていますが、悪漢の魅力を感じるにはまだ少し俗物的すぎるように感じるのが残念なところ。彼に利用される女性たちが彼を憎みきれないように、私も彼のことが嫌いになりきれないのはそういうところがあるからなのでしょうけれども。2017/03/08

ROOM 237

16
これ面白過ぎでは。19世紀フランスって不倫したら警察にしょっ引かれたのか…飽きっぽいジゴロが次々女を取っ替え引っ替え、あっちで根回しこっちで金策を練り乗し上がる。裸一貫で自分の武器を有効活用し尽くす力量に関しては才能の塊なんだけど、道義の欠落っぷりがまさに外道w。読者をヒヤヒヤさせて読ませるわけね?でも意外と一途な面もあるよねーなんて言ったらキレそうw。んなこたぁ知ったこっちゃねぇとばかりに猪突猛進するのだが、モーパッサン自身は当時体調不良で死にかけだった故にフットワークの軽い主人公を描いたのかしら。2022/11/22

ムツモ

6
下巻のジョルジュは最低男。上巻はするする読んだが、下巻はあまりの下劣さに嫌気がさしてなかなか本を手に取れず…。でも彼が出世するのも理不尽ながら理解できる。モーパッサンって面白い。訳文が古い(廃版なので仕方ないが)。2016/11/09

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