出版社内容情報
十九世紀フランス象徴派の総帥ステファヌ・マラルメ(一八四二‐九八)の詩の全集成.絶対的な完璧を目指してその秀抜強靭な知性を傾けつくしたこの詩人が世に残した少数の詩篇は,近代詩の一つの窮極的な到達点を示すものである.難解をもって知られるマラルメ詩の全訳に詳細綿密な注を付した決定版.
内容説明
19世紀フランス象徴派の総帥マラルメ(1842‐98)の生前に成った自選詩集の全訳。詩人は生涯に少数の、しかも晦渋きわまりない詩篇を残したが、その詩についてヴァレリーは「辛うじて味わわれるや、あらゆる他の詩歌の味わいを腐蝕させ」てしまったと言った。厳密な校合を経たテクストの翻訳にくわえ周到な注解・年譜等を付した決定版。
目次
禮
不遇の魔
あらはれ
徒な願ひ
道化懲戒
窓
群芳譜
陽春
苦惱
―ほろ苦き無爲に倦じて〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
魚京童!
20
詩集を毎日のように選んで呟いてるけど、振り返ったときになんかこういう気分だったのかなっていうのが分かって面白い。「あらゆる他の詩歌の味わいを腐食させ」てしまったらしいのはよくわかる。2017/07/16
oz
7
再読。読者の共感や理解を拒絶するように晦渋なテクストを紡ぎ続けたマラルメはランボーやボードレール以上に今日の詩の創造主であった。それが如何に不快であっても詩の教科書はここにあってそれ以外にはない。2010/10/23
ディヴァイン
3
学校の図書館で「古書の処分を行うから、欲しい本有ったら上げますよ」司書さんの発言で歓喜に踊り、百冊余り手に入れた。本書もその中からGETした。西脇訳の『パフォスという名に…』が好きで、鈴木訳を読んでみると違和感が多少有るもスッと言葉そのものが裸形となって身体の中に落ちてきて同様に好きとなった。2009/11/07
fantamys
1
ただの感傷ではない。一筋縄ではいかない何か。2016/05/01
ゆい4
0
わかったような、わからないような。 読書好きの友達のおすすめで読みましたが、詩はやはり難しい。2015/01/31