岩波文庫
群盗

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  • サイズ 文庫判/ページ数 221p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003241011
  • NDC分類 942
  • Cコード C0198

出版社内容情報

ドイツの政治経済がひどい沈滞に陥り,文学のみが異常な活況を呈したいわゆるシュトルム・ウント・ドラング時代の,これは記念碑的な作品である.失われた自由を求める余り盗賊隊長となって社会に抵抗する青年カアルの心情は現代人の強い共感を呼ぶであろう.原作の精神を深く理解し最も適切な日本語に移した名訳を贈る.

内容説明

18世紀後半、ドイツでは政治経済が沈滞する一方で文化・芸術が異常な活況を呈した。シラーはゲーテと共にこのシュトゥルム・ウント・ドラング期を代表する存在であり、処女作『群盗』は時代の記念碑である。失われた自由を求めるあまり盗賊隊長となって社会に抵抗する主人公カアルの心情は今も現代人の強い共感をよぶ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ehirano1

89
シェイクスピア悲劇ドイツ版?そして結構激しいような気がします。「自由か死か」の二者択一しかないという考えが根源にあるように感じました。まあ、このシチュエーションだからそうなのか、そう言いたいからこのシチュエーションにしたのか、思索が尽きないところは流石古典だと思いました。2019/05/03

魚京童!

29
気持ちが群盗じゃなかった。頭が文学についていかない。流れだけで満足してしまう。気持ちが追い付かない。身体が重い。緩やかな堕落。幸せともいうのだろう。このにっちもさっちもいかない感じ。がんじがらめだ。どうすることもできないし、どうしたいとも思っていない。精神が鈍った。なまくら刀だ。なんなんだろう。これ。能動でも受動でもない何か。やることはあるんだけど、そういうことでもない。やりたいことなんかないんだけど、お酒が飲みたいわけでもない。なんなんだろう。これ。これが秋の始まりなんだと思う。毎年思ってるのだ。秋だ。2019/09/08

tsubomi

11
2018.02.24-03.10:世界史的に有名な“疾風怒濤の時代(Sturm und Drang)”と、その時代の代表的作家ゲーテとシラー。でも実際の作品を読んだことがないまま長いこと過ごしてしまった私。今回初めてシラーの作品を読了。ドイツ貴族の長男が放蕩の末、弟に陥れられて盗賊の首領となるも恋人のことが忘れられずに故郷に戻り・・・。熱く劇的なセリフに満ち、泣いたり怒鳴ったり死んだりとかなり極端な描写で恋愛部分などはロマンス小説に近く、嵐に翻弄される小舟のよう。疾風怒濤とはこういうことなんだなと実感。2018/03/10

かみしの

11
われに自由を与えよ、しからずんば死を!疾風怒濤時代の旗手のうちでも、ゲーテの影に隠れてあまり話題にあがらないシラー。けれども、彼の作り出した盗賊カアルの人物像は300年の時代を越えて、今でも心を打つ。「自由」と「束縛」と対立させると、「自由/善」‐「束縛/悪」という直観に基づいた付加価値をつけてしまいがちだけれど、それがまさに反転して描かれている。自由に、人間として生きようとすると、どうしようもなく悪になる。「世界は美しいのに、自分は醜い」という吐露は、『ファウスト』の「時よ止まれ」に近いのかもしれない。2017/11/17

syaori

11
話は、弟が父親に讒言し、家を離れている兄から財産と爵位と恋人を奪おうと謀るところから始まります。タイトルは、弟によって父親から勘当されたと思った兄が、盗賊の首領になるところからつけられています。兄が弟に陥れられたことを悟る場面からは、登場人物たちの激情が渦巻く劇的な展開になり、読んでいて苦しいくらいでした。2015/11/19

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