出版社内容情報
主として第二次大戦前に活躍した作家たちの作品を収録した上巻に続いて，本巻には，ウラジーミル・ナボコフからフィリップ・ロスまで，戦後に活躍した作家たちの作品を収める．極めて対照的な作品世界で興味深い．
内容説明
本巻には、ナボコフ以下、戦後に活躍した作家たちの作品を収める。現代アメリカを代表する作家たちによって表現された現代アメリカ社会の諸相。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな（灯れ松明の火）
76
下巻はナブコフ、フィリップ・ロス、バース、更にはカート・ヴォガネット・ジュニアと洒脱な編纂が為されています。流石、ウィルキンソンの『白衣の女』を刊行した岩波文庫！結構、意外な作家を選ぶから私は岩波文庫を読むのが止められないんだ＾＾とは言え、ユダヤ人作家、ﾏﾗｯﾄﾞの「ユダヤ鳥」はかなり、後味が悪い作品なのでご用心を。「父親になる男」は父親になると知らされて動揺する男の身勝手な心情変化がかなり、綿密に描かれていて苦笑。「動物園で」は支配されてきた少女時代を生きてきた二人の邂逅だが、その記憶はあやふやで2021/08/09
こばまり
55
いずれ勝るとも劣らぬスター作家の揃い踏みなのは上巻同様だが、作風のがらりと変わることよ。後半世紀、人は漠然としたものを恐れるようになる。これがポストモダンか。思春期の思い入れもありサリンジャーは何を読んでも特別な気持ちにさせてくれる。2018/09/02
meg
6
どの短篇も良い。 特にカーソン・マッカラーズが良かった。2023/10/05
イソテルス
6
幻想的な要素の入った作品が多くて上巻と趣が変わる。こちらも粒ぞろい。面白い2015/01/21
Ecriture
6
サリンジャーのホールデン・コールフィールドの女の子版とでも呼べそうなユードラ・ウェルティ「ある記憶」、様々なレベルでのユダヤ人迫害を描くバーナード・マラマッド「ユダヤ鳥」、金から逃れられぬ戦後アメリカ人に辟易しながらも父になることを思うソール・ベロー「父親になる男」、老女のもとに謎の少女が訪れるカポーティ「ミリアム」、精子の旅とも読めるし私たちの生がニヒリズムに直面しているようにもとれるバース「暗夜海中の旅」など。2013/01/21
