岩波文庫<br> 狐になった奥様

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岩波文庫
狐になった奥様

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  • サイズ 文庫判/ページ数 160p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003229712
  • NDC分類 933
  • Cコード C0198

内容説明

テブリック氏の夫人シルヴィアはまだ23歳、立ち居ふるまいは上品で人並みすぐれた美形。いつものように二人は散歩にでかけるが、突然、夫人が狐に変身してしまう。次第に内面も野性化してゆく妻をあくまでも愛しぬこうとする夫…。「一切の批判をよせつけない佳篇」とウエルズに絶賛された、イギリスの作家ガーネットの代表作。

著者等紹介

ガーネット[ガーネット][Garnett,David]
1892‐1981。イギリスの作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

133
深い悲嘆と身を焦がす嫉妬の念を超克して、狐に変身した妻への愛を貫こうとする男。視点や断絶度合いなど前提からカフカとは異なる。森に寝泊まりし、四つ足で這い、兎を追いと、正気の沙汰ではない同化に駆り立てる情念の描写が卓越。豊富なようで意味深な寓意、関係が逆転する起伏、華やかな潤色を一切排除した文体も緊迫感や広がりに貢献している。「欺瞞と奸智と狡猾さで知られる」狐とテーマの相性は絶妙。いつの間にか彼が愛しているのは上品とはかけ離れた奔放な雌。対比の中に以後も動物への愛着や社会的偏見を掘り下げる著者の萌芽を見る。2022/10/25

113
ある日突然、狐になってしまった妻を、苦悩しながら愛し抜こうとするものの、彼女は人間であったことすら忘れ、野生に戻っていってしまう。何をしても裏目に出て、夫の愛は空回り。愛とは、夫婦とは何なのだろう。妖しく官能的な側面と、報われない愛情のどん底。求めているものが違いすぎる男女関係の焦りと絶望。とことん情けなくも哀しい夫の姿が滑稽に映って生々しい。そして他でもなく狐というのがまた、夫婦という本来、化かされた関係を揶揄しているようにも見え、しみじみ深い物語だなと思わずにいられなかった。 2014/02/12

新地学@児童書病発動中

109
テブリック氏の夫人シルヴィアは、散歩の途中で急に狐に変身してしまう。理由は全く分からない。途方に暮れるテブリック氏。狐になった後もしばらくは人間らしさを保っているシルヴィアだったが、やがて野性的に変化して……。200ページに満たない小説だが、これは傑作。カフカの『変身』を思せるところがある。『変身』と同じように読み手によって、受け止め方が変わるだろう。風変りな小説としてまず楽しめる。性差や人間社会について考察した書でもある。恋愛小説として読むこともできて、姿が変わっても妻を愛し抜く夫の愛情が胸に迫る。2017/12/16

マエダ

91
素晴らしい。一冊でガーネットが好きになってしまった。これは妻なのか狐なのか、自分は妻を愛しているのか狐を愛しているのかと錯綜。この辺の書き方は痺れるほど面白い。また読むべき作家が増えてしまった。2018/02/26

えりか

51
妻が狐になってしまった男の苦悩と絶望、そして、それでも愛し抜く熱情。徐々に野生と化す妻への失望。時折見せる妻の人間味への希望。繰り返される男の葛藤。何度も何度も繰り返される葛藤。この葛藤は妻が狐になった男だけが抱えるものではない。わかりあえないものでありながら、それでもわかりあおうとする気持ち、愛が起こす誰もが抱える葛藤なのだと思う。愛すればほどに愛されたい、わかりあいたいと葛藤する。しかし、男は悟る。愛とは見返りを求めず、ひたすら与えるものだということを。女の本能に嘆く男、と読むこともできるか。面白い。2018/11/14

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