岩波文庫
曖昧の七つの型〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 390,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003229323
  • NDC分類 931
  • Cコード C0198

内容説明

“曖昧”という、詩の魅力の源泉。古今の例から文彩や地口を鮮やかに解説したエンプソンは、本書後半ではテクストの幸運な混乱や矛盾、作者の心理、読者による解釈の発明を説明しようとする。同時代のフロイト思想に触発された“新しい批評書”は、後の構造主義や脱構築を凌ぐ社会性・多様性・現代性を示している。

目次

4 第四の型
5 第五の型
6 第六の型
7 第七の型
8 結語

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

傘緑

30
詩の曖昧/多義性について「すぐれた詩はすべて曖昧だとわたしは考える…偉大な詩には常に、明解に提示された特殊な事象から一般論への拡がりを感じさせる…特定の語で名指せないためにいっそう厳然と存在する人間的経験の背景への訴え」このことを小田島雄志は柔らかく表している「シェイクスピアが彼らを匿名のままにしておいたのは、特定すればそのことによって失われる普遍性、つまり友人や恋人に対する詩人の感情が読者に共有されること…(ソネット)」個別具体から普遍へと枝葉を整える曖昧さ「不滅の詩人により約束されたあの永遠のいのち」2016/11/24

壱萬弐仟縁

5
第四の型でワーズワースは、素朴さへの崇拝が思考の源泉だけ毒で濁らせ、心の混乱を単純叙述で表現(60ページ)。エンプソンは曖昧さを見出し、批判を加える(63ページ~)。評者は湖畔詩人としてワーズワースを評価したが、詩の批判を加える分析は新発見をもたらした。読者による詩への違和感の表白。第六の型で再登場するが、神学的陳述が、様々なニュアンスの異なる見解の人を当惑させない錯雑、とらえがたさ(傍点)を示す、との批判(175ページ)。岩波文庫にワーズワースの詩が収録されているので、批判的に読むこともしようと思った。2013/02/22

Yasunori Ando

0
足かけ3ケ月ようやく完了。英語詩がテーマなのバンザイでした。下巻最後に再版序として、反対意見取り上げ、自分の弱点は認めながら、一方で正当と思う箇所は穏やかな書きぶりで対応。よい時代&よい文化。2014/11/08

星規夫

0
英詩を勉強してもう一回挑戦しようと思う。2012/09/12

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