岩波文庫
宝島 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 395p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003224212
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

この冒険小説はとくに少年少女の読物として日本でも早くから紹介された.老海賊の残した一枚の地図を中心に,宝島の探検を志したジム少年,ルヴジー医師,スモレット船長等が,船員を装って乗組んだ片足の海賊シルヴァーを初め一味の残党と航海していろいろな危難にあい,冒険の後,ようやく目的地に到着する.

内容説明

子供時代に胸躍らせたジム少年の冒険談も、あらためて読み直してみると、シルヴァー船長以下、一癖も二癖もある様々な登場人物に、『ジーキル博士とハイド氏』の作者スティーヴンスン(1850‐94)の人間観察の眼が感じられ、物語に一段と奥行きと魅力が増してくる。宝探しという永遠のロマンに、さあ新たな船出をしよう。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

61
子どもの頃児童書で読んだが、かなり違った印象を受ける。特に、シルヴァー船長の曲者っぷりがたまらない。文章が醸し出す薄気味悪さ、不穏さは、『ジーキル博士とハイド氏』と通じるところがあるように思った。その一方で、島の自然の描写は静謐で美しく、海賊たちの冷酷さと自然の美しさが見事な対比となっている。ジム少年の動きに一貫性がないのが少し気になったが、子どもだし、彼の動きによって話が展開していくのだから仕方のないことか。2016/07/08

たんたんx

18
読友さんから。再読。確か以前読んだのは十代の頃だったと思うが、冒頭部分しか覚えていなかった。ほとんど初読と変わらないので、どきどきしながら読み進んだ。スティーブンスンは人物描写が上手いなあ。会話やしぐさで、人物の気質が手に取るように伝わってくる。実在の海賊たちも相当に荒くれていた様だから、この物語の描写も、あながち大げさ過ぎるということもないかも知れない。何と言っても、一本足の海賊シルヴァーと、無鉄砲な主人公ジム少年の人物造形が光っている。2017/01/20

金吾

15
○子供の頃大好きだった本です。ただこの本を読んでどんなに美味しいのだろうと夢想したラム酒が実際はあまり美味しくなくショックを受けたことを思い出します。何度読んでも同じ場所がつぼにはいり、面白いです。2020/07/22

アカウント停止

12
何気なく書店で手に取り、パッと開くと宝島の地図。それから、「買おうか買うまいかと、ためらっている人に」 というメッセージが出てくる。これは上手い! すぐに買って読み始めたら、もう止まらない面白さ。 一筋縄ではいかない登場人物たちが魅力的で、「この先、彼らはどんな行動に出るのだろう」とハラハラしながら読んだ。大人の夏休みに読みたい名作です。2016/08/08

qoop

11
改めて読んでみて正統派ジュブナイルとしての完成度の高さに唸る。冒険を盛り上げるためには主人公を画一的な造形… つまり読者が望む方向へ足を向ける人物像にとどめておく方が望ましいのだろう、とも感じた。その点での予定調和を破り、同時に物語を動かす上で力があるのがシルヴァーの人物像。彼の造形は絶品で、善悪を超えた熱量の大きい人間の魅力。みっともない姿もまた格好良い。アンチヒーローの魅力に浸った。2018/03/12

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