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岩波文庫
海賊

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  • サイズ 文庫判/ページ数 187p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003221624
  • NDC分類 931
  • Cコード C0198

出版社内容情報

情熱の詩人バイロン(1788‐1824)の恋愛観,女性観,人間観をもっともよく表わし,その後の彼の作品の基調をなした叙事詩.憂鬱孤高の海賊コンラッドに,ひたすら純愛に生きるメドラと,主人を弑してまでも愛するコンラッドを救い出そうとする情熱の女グルナーレとを配して,疾風怒濤さながらに変転する局面に抒情の世界を点出する.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

52
宝塚の歌劇で時々上演されているが、原作はあまり知られていないのではないだろうか。海賊の首領でありながら低俗さ・無為な蛮行を嫌い、フェミニストでもある孤高の高潔の士コンラッドは、貞淑なメドラとトルコの太守の愛人で情熱的なグルナーレという全くタイプの違う二人の女性に愛される。逆巻く海や荒々しい戦の表現、メドラとの穏やかで美しいひととき、情熱的なグルナーレの愛。格調高い訳が美しい。こういう詩は、ちょっと古い訳の方が似合うように思う。2016/06/24

Fumoh

1
バイロンの物語詩で、ある海賊の首領の、内奥の真心とロマンスについて描いています。悪党だけど愛する女には優しく、また幼少の不幸さえなければ善人であった、というよくある不良主人公の源流はここにあるかもしれません。悪行と密かな愛に生きるダンディズムは、現代であれば賛否両論だと思います……。その悪行をくつがえせるほどの真心というのは、ひょっとすると自画自賛の域を出ないものでありますし、理解されないならばかえって孤高性の演出もできる、世の冷たさよ、という滑り止めの効果を狙うせせこましさが見えるからです。2023/05/20

misui

1
バイロン的人物を強調するにはそれ相応の強い存在が必要で、ただし彼は最後に完全に負けることで輝くのだ。因業なものと思う。2021/02/26

刳森伸一

0
孤高の海賊首領コンラッドとタイプの異なる二人の女性の物語。コンラッドはバイロンの叙事詩に良く出てくる反骨心の男。マッチョといえばマッチョだが嫌みはない。2014/01/03

龍國竣/リュウゴク

0
雄々しい、勇ましい主人公。彼の姿はあまりに高潔だ。献身的な妻を愛し、女たちには優しい心遣いをする。一方、彼に思いを寄せる女は彼のため殺人を犯すが、その情熱的な女を彼は最小限の礼をもって退ける。こうして彼の高潔さは勝利するが、結果として失踪を選ばざるを得ない。2013/09/18

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