出版社内容情報
花ほころび,そよ風吹きそめる四月のある日,身分も職業もさまざまな二九人の巡礼がサザークの旅籠に顔を合せた.当時のイギリス社会の縮図というべき顔ぶれが,カンタベリーへの道中,順番に話をすることになって…….中世イギリス最大の詩人チョーサー(一三四〇頃―一四〇〇)の代表作.バーン=ジョーンズの端整な挿画を収載.
内容説明
修道僧による、一七人の悲劇。尼僧付の僧は雄鶏の寓話を、第二の尼僧は聖女セシリアの殉教譚を語る。そこに後から追いついた錬金術師とその徒弟。だが、徒弟にいかさまぶりを暴露されて錬金術師は大あわて。話はなおも続くが、カンタベリーにはまだ着かない。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
68
(下)は絵も少なく話もキリスト教に関する事が多く読むペースが落ちた。そんな中『錬金術師の徒弟の話』が「分かってるけどね」という感じではあるものの(下)の中では一番面白い。2023/05/19
syaori
29
物語は、教区司祭による悔い改めについてという巡礼行に相応しい物語で幕を閉じます。まとめ役の宿の主人が「すべての階級の人たちから話を聞いたと思います」と言うように、様々な階級に属する人たちが自分の階級、職業にふさわしい多様な物語(時には下ネタも)を披露してくれました。物語の合間に挟まれる巡礼たちの、物語へのダメだしやケンカ、酒を飲みすぎたりという、とても巡礼行とは思えない様子も清濁入り混じった世の中の縮図という感じで楽しく、しかしこれだから司祭の話で締めなければいけなかったんだろうなと苦笑しつつ思いました。2016/07/05
Meme
12
とりあえず私は偽善に満ちていることが判明しました。いま悲しみにみちみちているので、告解してきます。2023/12/06
名無し
8
プロの本読みさんたちは体調やメンタルが悪化した時どういう読み方をしているんだろうといつも不思議に思う。そういうわけで読んでいるとは言い難い素人の特権はまだまだ続きそうだ。2023/10/03
Tomoko.H
8
案の定?教区司祭の話は、ひたすら長ったらしい説教。適当に読みとばした。もっと筋のあるお話にしてくれたらよかったのに。他の巻の話でもくどくどしい説教とかで水増しされていて、全3巻だけど、研究者でもない普通の現代読者が楽しめるのは、正味厚めの一冊分くらいかなと思った。面白い話もあったから、それらを取り出した抄訳があればそれでいいなあ。2016/08/27