出版社内容情報
原題は「多彩な物語」.古代ローマの著述家アイリアノス(二世紀後半―三世紀)が,百花咲き乱れる牧場のように多彩絢爛な読み物を供せんと,先行群書からこれぞという話題を抜き出して編んだ一書である.古今の名士・名将の逸話をはじめ,大食漢や大酒呑み,愚物,悪人の話に,各地の珍談・奇談など,四六○余話を収めた話の泉.
内容説明
原題は「多彩な物語」。古代ローマの著述家アイリアノス(2世紀後半‐3世紀)が、百花咲き乱れる牧場のように多彩絢爛な読み物を世に供せんと、先行群書からこれぞという話題を抜き出して編んだ一書である。古今の名士・名将の逸話をはじめ、大食漢や大酒呑み、愚物・悪人の話に各地の珍談・奇談など、460余話を収めた話の泉。
目次
蛸
蜘蛛
エジプトの蛙
エジプトの犬
海の狐
海亀
猪
毒蜘蛛
ライオンの病気
クレタ島の山羊〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
31
第2巻の36「老いて病むソクラテス」(89頁~)。ソクラテスの気分を聞かれて答えたことに、生きてれば多くの人に張り合ってもらえるし、死ねば沢山の人に褒めてもらえるだろうから、と(89頁)。43「徳と貧乏」(97頁~)。貧乏と徳を結びつけるのはギリシア人に伝統的な考え方。第4巻の15「病中に学問を修めた人、病気して強くなった人」(164頁~)。シケリアの僭主ヒエロンは、粗野だが、病を得てからは、余暇を教養の修得にあてて、芸術愛好家になったという。2015/11/13
さきん
25
ギリシア時代の小話をまとめた内容。プラトンとアリストテレスの仲の悪さが印象に残った。まとめられたローマ時代の著者は、知識人のギリシア熱にあやかって、成金や名声の欲しい連中に知識のハウツー本として書いたのではないかと想像する。ローマの合理主義故か、ギリシア時代の豆知識がちりばめられていた。2016/09/14
Ex libris 毒餃子
11
同じような話もあって長かったので、読了までに時間がかかった。2023/07/24
misui
7
「アイクソネ区のトラシュロスは前代未聞の奇妙な狂気にとりつかれた。町(アテナイ)を捨て、ペイライエウスの港に下ってそこに住みついたかと思うと、港に入ってくる船はすべて自分のものだと思いこんで、帳面につけたり、見送ったり、無事に帰港してくる船に大喜びしたりするようになったのである。こんな病気に罹ったまま永い時が過ぎたが、やがてシケリアから兄弟が帰ってきて医者の治療に委ねたので、彼の病気も癒えた。…2016/03/24
あんどうれおん
6
多彩な古典。420ページ足らずの本体部分に460あまりの小話が収録されています。よくも悪くもツイッターみたいな一冊だと思いました。訳者による補遺や解説など、丁寧な仕事の数々によって付加された資料的価値も見過ごせない良書です。2021/06/05