岩波文庫<br> 平和 (改版)

岩波文庫
平和 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 108p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784003210840
  • NDC分類 991
  • Cコード C0198

出版社内容情報

アテーナイとスパルタとの二七年間にわたるペロポネーソス戦争(前四三一―四〇四)の最中に書かれた,ギリシア喜劇最大の作家アリストパネースの戦争諷刺劇.長い戦争に苦しめられた農民トリュガイオスが黄金虫に乗って天にのぼり,ゼウスに嘆願して幽閉されている平和の女神をひき出すなど大活躍のすえ,ついに平和の大合唱が天地に轟く.

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

351
劇の中でも彼らについて言及しているが、アリストパネスはソポクレスやエウリピデスとほぼ同時代を生きた。紀元前400年頃のことである。古代ギリシャにおいて、悲劇は例えばソポクレスの『オイディプス王』に典型的なように、神の啓示の前に人間は不条理なまでに無力であり、その引き裂かれた運命が劇を支えていた。ところが、喜劇においては、この劇に見られるように神(ヘラクレス)もまた人間であるトリュガイオスと同じように徹底して卑俗な存在である。すなわち、観客をも巻き込んで笑い飛ばすことにおいて成立していたようである。2019/12/26

ホームズ

4
解説が最初に乗っているので物語の背景が分かりやすく読みやすかったです(笑)今回は喜劇って感じのドタバタが分かりやすかったし(笑)しかしニキアスの和約の直前とはいえペロポンネソス戦争中にこんなの作れるんですね~(笑)2010/06/24

Nemorální lid

2
ニキアスの和約以前の大デュオニューシア祭において上演された作品。作者アリストパネスが自身の過去の作から詩句を数多転用したりと急いで書いた観が否めないが、彼はこの劇によって少しでも平和の到来を早めればと考えた、とする解説に納得した。和平締結を望まないボイオーティア人などを諷刺し、戦争を擬人化させてはギリシアの諸都市を擂鉢で擂り潰そうとする内容は『戦争』と『平和』の対照性を面白く現そうとした事が分かるが、余り手が込んでいない修辞に何処か落胆した。無論、鬼才たる彼故にこちらが勝手に望んでいただけであるが。2018/03/23

寛理

1
☆☆☆ でっかい黄金虫の餌にクソ団子を作るところから始まり、平和の女神と主人公の下品な男がベッドインする結末。アリストパネスにとっての平和というのはこういう下品なドタバタのことなのだと思った。しかし戦争中に発表されたものなのに、近代の戦争文学のような「切実さ」を感じられないのが面白い。2019/11/26

1
1956年7月25日第1刷発行 1973年9月17日第7刷改版発行 1992年11月16日第10刷発行 高津春繁訳 安江良介発行2017/07/29

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