出版社内容情報
魏・呉・蜀三国対立時代の中国.変転きわまりない局面のなかで,劉備・関羽・張飛の義兄弟と師孔明,あい対する曹操・曹丕の親子,また孫権など,知力と武勇のかぎりをつくして戦う英雄豪傑たち.そしてついに晋に統一されるまでを描いた一大ロマン.気品ある清麗な名訳に北斎門下の鬼才葛飾載斗の版画を多数加えた完訳決定版.
内容説明
蜀、魏、呉の創業の英雄たち、劉備、関羽、張飛、孔明、曹操、孫権らはすでに亡く、2代目以降の守成の時代となるやその活力の低下は苦しい。やがていずれも晋の皇帝司馬炎の軍門に下り天下は統一された。太唐元(西暦280)年のことである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
57
曹丕は司馬懿に孔明を例にあげて息子の補佐を頼んで亡くなるが、司馬懿は孔明ほど主君に忠実ではないので、あっさり主君を裏切る。だが、劉備の息子も曹丕の息子も、覇気はなく、人徳者でもなく、親の栄光にすがっているだけ。つまりは、滅ぼされても自業自得ということか。2020/04/06
優希
40
三国が晋によって統一されるまでの動きが描かれます。武将たちが守らねばならぬ国でしたが、何せ弱過ぎました。結局激動の時代を歩んできた国々は1つとなるべきの国だったのですね。2024/01/18
HaruNuevo
14
諸葛亮亡き後の三国志は、乾燥した奥行きの無い出来事の羅列で、最終巻であるのに味気が無い。 軍事一辺倒の戦争馬鹿である姜維は、宦官佞臣の跋扈を妨げることが出来ず、成果のない度重なる北伐は蜀の国力を磨滅させるだけで、結果として蜀の滅亡を招くことになったのだろう。 全8巻、久しぶりに読み返した。2024/02/25
よしひろ
6
司馬炎による統一がなされる。男たちの争う時代が終焉した。2016/03/29
qoop
3
晋による三国統一を書いた長いエピローグ。戦闘場面にはこれまでのような物語的なデコレーションが薄く殺伐としていて、英雄譚として広がったストーリーが歴史のエポックへと収束していくかのような感覚を覚える。物語的であるのは予兆としての怪異の出現だが、何にしろ思い入れのない人々の凡庸な殺し合いで歴史が紡がれていく虚無感は、大長編のラストに案外相応しい。2020/03/30