出版社内容情報
魏・呉・蜀三国対立時代の中国.変転きわまりない局面のなかで,劉備・関羽・張飛の義兄弟と師孔明,あい対する曹操・曹丕の親子,また孫権など,知力と武勇のかぎりをつくして戦う英雄豪傑たち.そしてついに晋に統一されるまでを描いた一大ロマン.気品ある清麗な名訳に北斎門下の鬼才葛飾載斗の版画を多数加えた完訳決定版.
内容説明
洛陽に還御した天子は、衰微している漢室を救えるのは山東にいる曹操以外にないと勅命を下し彼を招聘した。精兵20万を率いて入洛した曹操ではあったが、やがて帝を奉じて都を許都に移し、権力をことごとくわが手に収めてしまった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
59
呂布に徐州を奪われ許都曹操のもとに身を寄せていた劉備は、身の危険を感じて秘かに脱出するも、はぐれた関羽は劉備の妻子を守るため許都に残る。簡単に妻子を見捨てる劉備に比べ、義兄の妻子を伴い曹操のもとを離れてきた関羽のなんという男らしさ。呉では孫策が亡くなり、孫権・周瑜体制となる。2020/03/31
優希
39
呂布の死、曹操の権力拡大、劉備の失脚と復活。権力争いが動き始めたのではないでしょうか。曹操が主役と言っても威良いくらい、曹操の権力を手にする力が重いです。2024/01/17
HaruNuevo
14
劉備のクズっぷりが際立つ第二巻。 敗残の将として袁紹の世話になりながら、袁紹に参謀田豊についての誹謗中傷を吹き込み、袁紹が田豊を斬ろうとすると助命を取りなすマッチポンプ。 劉備の奥方たちを守るためやむなく曹操の下に身を寄せた関羽に対して、自分の恩義に背きやがってそんなに恩賞欲しけりゃ自分の首でも取れ、などと妄言を吐く狭量とエゴに塗れた俗人っぷり。 いろんな読み方が出来るものだ。2023/11/23
よしひろ
7
毒を盛って暗殺を謀る。いつの時代も権力闘争はある。そして、宴での凄惨な争いの場面が挿絵で入っていて、印象的だった。2016/03/25
qoop
5
呂布は分かるが、なぜ劉備が豪傑として名を馳せ重要視されるのか。ここまで読んでも正直ピンと来ない。関羽や張飛の豪傑挿話に支えられているものの、彼個人の物語があまり書かれていない印象を受ける。これ以降の時代からの遡及的な人物描写にも感じられた。いや、為政者なのだから曹操との比較で読むべきなのだろうし、豪傑的イメージはむしろ不要なのか。この辺の人物造形が未だ分からず。先に読んだ「水滸伝」に引きずられてるのかな。2020/03/20