出版社内容情報
一国の首都は譬へば一人の頭部の如し――全国民に首都への愛情と自覚を訴え,善美なる「世界の東京」建設を,雄大な構想と緻密な観察のもとに書き上げた大論文.今なお痛切な問題提起と卓見に満ちた露伴の筆は,市街整美から教育機関,道路,上下水,衛生,防災,警察,公園,娯楽,売淫史に及ぶ.併収「水の東京」. (解説 大岡信)
内容説明
一国の首都は譬へば一人の頭部の如し―。全国民に首都への愛情と自覚を訴え、善美なる「世界の東京」建設を、雄大な構想と緻密な観察のもとに書き上げた大論文。今なお痛切な問題提起と卓見に満ちた露伴の筆は、市街整美から教育機関、道路、上下水、衛生、防災、警察、公園、娯楽、売淫史に及ぶ。「水の東京」を付す。
目次
一国の首都
水の東京
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kthyk
19
露伴は東京を改革発展させてゆく上で最も重要なのは、東京市民一人一人の「自覚」と書く。昔の江戸っ子は「べらんめい、こちとら江戸っ子でい」と啖呵を切ってみせたものだが、都市の存立は市民としての誇り、自覚、自らが住む都市に対する愛情と責任感こそが、その都市を発展させる根源的な原動力。江戸時代の遊郭は、今日のネオン街や都市の片隅にある単なる遊興の場ではなかったのだ。そして、東京が江戸の二の舞にならないためには、芸者というものから目をそらしてはならないとし、露伴は並々ならぬ気迫をこめて興味深い都市論を展開していく。2021/02/11
ほーりー
2
「一国の首都は例えば一人の頭部の如し。」高層ビルとあふれる広告についての記述は特にないのがなんだか不思議。2011/12/05
NORITA
1
やっと読み終わったorz首都東京の理想像を事細かに論じていて、為政者・住民両者にとって現代においても大いに学ぶべきところのある傑作論文。そして風俗の話でしめくくりw2008/08/01