内容説明
下巻には「妹背山婦女庭訓」「伽羅先代萩」等に関する解説と、本書刊行後に杉山が雑誌『黒白』に連載した「絵本太功記」「ひらかな盛衰記」等の芸話を収録する。名人たちの逸話、語り口の描写は誠に巧みで文章は痛快である。本書は武智鉄二らが進めた浄瑠璃の「風の研究」の原点であり、後代の太夫や三味線方、研究家に大きな影響を与えた。
目次
第1部 浄瑠璃素人講釈(承前)(神霊矢口渡 四段目切 頓兵衛内の段;妹背山婦人庭訓 二段目切 芝六住家の段;妹背山婦女庭訓 四段目切 御殿の段;艶容女舞衣 三勝半七 酒屋の段;桜鍔恨鮫鞘 お妻八郎兵衛 鰻谷の段 ほか)
第2部 増補 浄瑠璃素人講釈(絵本太功記 十冊目口 夕顔棚の段;梅川忠兵衛冥途飛脚 新町封印切の段;鎌倉三代記 八ツ目切 三浦恩愛の段;心中紙屋治兵衛 新地茶屋の段;心中紙屋治兵衛 紙屋内の段 ほか)