• ポイントキャンペーン

岩波文庫
旧聞日本橋

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 425p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003110317
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

大江戸の名残り濃い明治初年の日本橋界隈の風俗・世態人情を繊細な筆致で活写した自伝的回想.『女人芸術』の主宰者として知られる劇作家・長谷川時雨(一八七九―一九四一)が生れ育った日本橋の人と町を鮮やかに描いた本書は,一つの時代の光と影をきめこまかく伝える証言でもある.父・深造の手になる風俗画文を多数収録. (解説 前田 愛)

内容説明

大江戸の名残り濃い明治初年の日本橋界隈の風俗・世態人情を繊細な筆致で活写した自伝的回想。劇作家・長谷川時雨が生れ育った日本橋の人と町を鮮やかに描いた本書は、一つの時代の光と影をきめこまかく伝える証言でもある。父・深造の手になる江戸市中の風俗画文を多数収録。

目次

町の構成
大丸呉服店
木魚の配偶
お墓のすげかえ
西洋の唐茄子
最初の外国保険詐欺
明治座今昔
大門通り界隈一束
鬼眼鏡と鉄屑ぶとり〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シルク

13
うひ~、読むのに時間がかかった。。。別の何かの本で、この作品の一部(確か夜に灯りの下に家族が集まってて、手仕事をしている場面)が引用されていて、それがあんまり素敵な雰囲気に満ちてて、全体を読んでみたくなった。「あんぽんたん」(※当時の流行語だそうな)の「あたし」目線から、御一新後の東京、自分の家族、その周辺を描いたもの。娘を簡単に遊郭に売っちゃって、それでガポガポ大金手にして、「○○は孝行娘やぁ」とウキウキする大馬鹿親、そして「ほんまほんまぁ」と、ご馳走と酒広げて祝宴する大馬鹿大人達が描かれる。→2022/07/02

壱萬弐仟縁

11
時折筆絵の挿絵があったり、人物写真があったりする。いりやますみの活字は面白い(23頁)。ふいご祭り(鞴の漢字)は初めて知った(29頁)。墨絵に添えられている草書体は読めないな。アンポンタンということばの響きはなんとなく面白い。近世上方で生まれたようだ(ウェブ)。「子供というものは、ふとした時にきいたことを生涯忘れぬものである」(254頁)。雷師匠が習字を教えている墨絵は、寺子屋的でいいと思った(368-9頁)。湯屋は386-7頁に墨絵がある。2013/09/07

にゃん吉

2
江戸の香を残しながら、明治という新しい時代へと移り変わっていく。そんな時代の日本橋界隈が鮮やかに浮かび上がります。近所の職人の話、大丸の新年の様子、代用小学校での出来事とか、日常のありふれた描写も、一つ一つが時代を感じさせて興味深いですが、多数登場する作者の一族のそれぞれの来し方が、江戸末期から明治という時代をよく物語っていて、またいいです。2018/07/18

邪馬台国

2
明治も初めの頃の下町の庶民達が描かれている。どうにも馴染みの薄い時代であり、読むのに苦戦した。著者である幼少期の”あんぽんたん”が、見聞きした出来事を率直に描く姿は時に痛快で(まさに江戸っ子?)時に妙に残酷。2014/09/04

hazama

2
当たり前なんだが、御一新後とはいえ、明治10年代の話はもろに江戸なんだなぁ。尋常代用小学校は、どう読んでも寺子屋だし、普通に丁髷なひとが沢山登場する。当時の風俗描写が(子供の視点からだからか)矢鱈面白かった。2011/04/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/140156
  • ご注意事項