岩波文庫<br> 青銅の基督 (改版)

岩波文庫
青銅の基督 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 122p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003106112
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0300

出版社内容情報

切支丹宗徒迫害が苛酷をきわめた時代の長崎の物語.年若い南蛮鋳物師が役人の要請で踏絵用のキリスト像を造るが,余りにも気高さをもつ出来栄えであったため悲劇を招く.遊里に親しむような若者にそれほどの傑作を生ませたものは何か.主人公,殉教の信徒,遊女などを通じて,張りつめた人間の精神がもつ美しさを明快に描く.

内容説明

切支丹宗徒迫害が苛酷をきわめた時代の長崎の物語。年若い南蛮鋳物師が役人の要請で踏絵用のキリスト像を造るが、余りにも気高さをもつ出来栄えであったため悲劇を招く。遊里に親しむような若者にそれほどの傑作を生ませたものは何か。主人公、殉教の信徒、遊女などを通じて、張りつめた人間の精神がもつ美しさを明快に描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カブトムシ

27
私の若い頃の「新潮文庫の100冊」に、長与善郎のこの小説も入っていたように記憶しています。やがてこの小説が消え、さらに志賀直哉の「小僧の神様」まで消えてしまいました。長与と志賀の信州での交流は、昭和26年(1951年)頃だったか?詳しくは「志賀直哉と信州」(信毎書籍)という本をお読みください。長与は戸隠に、志賀は軽井沢に逗留しています。志賀は昭和2年(芥川自殺の年)も、軽井沢や戸倉温泉に滞在しています。「沓掛にてー芥川君のことー」「邦子」「暗夜行路(部分)」を執筆しました。戸倉の笹屋ホテルは、定宿でした。

じゃがいも

15
芯があり気合いの入った白樺派の傑作。江戸初期の切支丹弾圧の重厚な歴史が散りばめられた時代の空気と臨場感。あまりにも神々しいキリスト像をつくったため切支丹と勘違いされた鋳物師の悲惨な話。魅力的な遊女との語り、俗人絵師の嫌らしい生きざまと切支丹達の気高い生きざまなどがあり短いですが深みがあります。2019/09/15

モリータ

8
前半は青空文庫、後半は岩波文庫で。中盤のキリスト教談義が退屈で、後半〜結末が面白く、もっと考えさせられたいテーマを差し出しているのに、そこに量的にも重点が置かれていないのはあとがきの通り残念なことだと思った。2016/06/10

色々甚平

7
短編でも軽くなく読ませるものでうまいなぁと唸る作品だった。「沈黙」と似た舞台やテーマでありながら展開が違うもので楽しめる。物は物でしかないと思っている鋳物師が殺されるなら踏んでいい許容を見せたらいいのにという姿勢と、そんな殺して回るなんて極度に怯えないで認めればいいのに。という平凡であるはずのスタンスをとっている。信徒も幕府も信仰を前提に物を見ていることで、ただの鋳物師を自分たちの妄想上の鋳物師にしてしまう姿は浅ましく恐ろしい。最後の一文を削るかは難しい。そこだけメタに感じられて不自然ではあったが。2020/06/20

feodor

6
江戸時代の鎖国政策下での隠れ切支丹と南蛮鋳物師の物語。主人公の南蛮鋳物師っていうのは、どうも現代人的な悩みを抱えていたりもしている。 隠れたナタラの場面の美しさというのは、素敵なものがあった。そして、その後の展開と…。2012/09/16

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