岩波文庫
迷路 〈下〉 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 650p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003104934
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

満洲事変から太平洋戦争に至る時代を背景に,苦しみもがいて生き,あるいは傷つきたおれた青年たちを深い共感をもって描き,あわせて日本ファシズムを動かしていた支配層の生活と思想とを重層的にとらえた大長篇小説.戦争で中断を余儀なくされながら,この作品に作者は二十年力を注いだ.一九五六年完結.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

17
教職科目の日本史概論だかで単位を落としたときのレポート課題だった本。 真面目に読む努力がなかったが、今は速読で読めている。 この人は注を使わないので、あっちこっちしない。 国際事情の詐謀も、欺瞞も、資本主義機構の歯車の軋みあいのもたらす、不可避な現象(49-50頁)。 どこかで矛盾が軋轢となる。 「万里子」で、「金に困った経験をもたないから、その欠乏がもたらす不自由や、不安や、苦しみも無邪気な 勇気で考えられたし、根本の支えは、働くことによって必要な金は得られる筈だ、と信じこんでいる」(87頁)。  2014/03/02

てつこ

2
社会の中の様々な層の登場人物が緻密に描かれていて、お見事、としか言いようがない。面白かった。主人公は省三というよりも宗通かな。省三の後日談を知りたい。2017/06/07

nyamo

1
重層的、かつ流れがあって、一通り人物関係が頭に入れば加速度的にのめりこめる作品。「転向者」「貴族の娘」などと括りきらず、一人ひとりが自己と社会とその関係とをどのようにとらえどう生きたのかを描いていて、その多様さをおもしろく読んだ。個人的には、多津枝、万里子のキャラクターが面白い。多津枝と省三の関係、木津と省三の対比も良い。2019/08/27

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