出版社内容情報
難波の鉦(どら)息子が親の目を盗んで遊里へ出かけ,馴染みの遊女に「遊び」の指南を受ける.遊女達は客の問に応じて,遊里での作法から客と遊女の心理的駆引まで,その手練手管をつぶさに語る.大坂新町を舞台にした「遊女評判記」の白眉と称すべきこの作品は,西鶴等の浮世草子や洒落本の先駆で,江戸初期俗語研究の貴重な文献.
内容説明
難波の鉦(どら)息子が親の目を盗んで遊里へ出かけ、馴染みの遊女に「遊び」の指南を受ける。遊女達は客の問に応じて、遊里での作法から客と遊女の心理的駆引まで、その手練手管をつぶさに語る。大阪新町を舞台にした「遊女評判記」の白眉と称すべきこの作品は、西鶴等の浮世草子や洒落本の先駆で、江戸初期俗語研究の貴重な文献。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
にゃん吉
3
江戸初期の大坂の色里を舞台とした遊女と客の会話体で、その仕組み、遊女の手練手管等が記されています。虚構の世界に誠を見出したくて、お気に入りの遊女は独占したいが、お金等の過度な負担は嫌という客と、客の歓心を引きつつ、うまくいなそうという遊女の攻防が非常に面白い。傾城の一瞬の誠や、苦界の有り体が見えるような件もあり、それもまた興味深い。九鬼周造「いきの構造」では、「いき」とは、諦め、媚態、意気地により構成される概念と分析されていましたが、それがよく分かる気がしました。註記、解説も詳細で読みやすくてよい。2020/05/14
玉媛
0
遊女が体調が悪いと言ったとき、そっとわからぬようにお金を渡すのが粋。 薬を持ってくるのが野暮。 勉強になります!!
hazama
0
遊女について、そして遊び方について。足の指が細長くて指先が開いている、のも上品の条件とある。昔の人は靴生活じゃないから、遊女で長時間歩かないっての抜きにしても綺麗な形の足が多かったんだろうな。2010/07/18