出版社内容情報
8代将軍吉宗の孫として生まれ,白河の松平家を継いで天明の凶作に自藩の難局を克服したのち,田沼意次失脚後の老中首座として寛政の改革に大いに腕をふるった楽翁松平定信の随筆集である.政界隠退後,自適の生活にあって,その60年にわたる体験と信念を,あるいは花によそえ,あるいは月になぞらえて,心をこめ1句1句ものした述作.
感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
15
旧字体。文のこと。「学問は人の道まねぶことなり。 からうたつくり文つくるはせんなし」と、よく人のいふことなれど、 みやびは花のはほりのごとく、もののうるほひのごとし(47頁)。 ひらがなを上手に使って表現するのは、小学生低学年以下の人間でない限り、 なかなか利用しない気もする。 ひらがなの美を見直した次第である。 口語訳があったらいいが、文末註解、参考文献は より難解に思われた。2014/03/20
シンドバッド
5
松平定信が、こんな情趣豊かな文を、認めたたとは、その治世手腕からは、大いなる違和感を、覚えたのは、私だけかもしれない。2015/03/25