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岩波文庫
鶉衣〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 413p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003021521
  • NDC分類 914.5
  • Cコード C0195

出版社内容情報

俗の中に雅を見いだす.尾張俳諧の中心であり,「遊文派」とも言うべき俳文の一潮流を確立した也有.藩の重臣を勤めた後の,自由でささやかな隠遁生活――その日常の驚き,老いの感慨,友人たちに請われた序跋文,旅行記など,豊富な知識と鋭い感性が綴り合わせた「鶉衣」.下巻には続編・拾遺の119篇を収める.新版(全2冊完結)

内容説明

「俗」の中に「雅」を見いだす、「遊文派」とも言うべき俳文の一潮流を確立した也有。尾張藩の重臣を勤め上げ、自由でささやかな隠遁生活―その日常の驚き、老いの感慨、訪れる友に請われた序跋文、旅行記など、続編・拾遺の一一九篇を収める。

目次

続編上―内題「鶉衣続編上」(百六歳なる大工甚助が;田子庵記 ほか)
続編中―内題「宇都良依続編中」(増交花堂;続後朗詠集跋 ほか)
続編下―内題「うつら衣続編下」(焼蚊辞;送其常辞 ほか)
拾遺上―内題「宇都良衣拾遺上」(寿亭記;須磨硯記 ほか)
拾遺中―内題「宇都良衣拾遺中」(岐岨路紀行;熱海紀行 ほか)
拾遺下―内題「宇つら衣拾遺下」(記余白俚歌;仮名詩十四篇付廻文(設題) ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

5
上巻にもあったが、木曾路が登場。115に桟、200に岐岨路紀行と、中山道での木曾路の位置づけが江戸時代に也有によって現代に再生していくことが地元学としての木曾学の課題だ。解説によると、也有は温和な人柄にして、自由な生活を志向した(393ページ)。地元の人間からすれば、空の狭い木曾谷でとかく、偏狭な視野に陥りがちだが、当時の也有のような旅人との相互作用によって、意外と社交による情報交換があったのではないかと推察する。綿を入れないと寒いという夏でも寒いよいよいよい、と木曽節に歌われる所以だな(274ページ)。2013/02/15

feodor

5
上巻では太田南畝の編集した「鶉衣」前編・後編が収められ、下巻では石井垂穂という也有の知友の孫にあたる人物の編集した「鶉衣」続編・拾遺が収められている。 上巻は割合と滑稽味とか洒脱とかいった感じの文章が収められていたが、下巻では知人から求められた亭・庵についての文章や、序文などが収められており、どちらかというと交流圏や天明期くらいまでの尾張俳壇の様子を遺すような文章が収められている。読んでいておもしろかったのは、上巻のほうかな……と思った。2012/08/16

うた

3
こういうのを読むと、江戸時代の文学にはまだまだ知られていない面白いものがたくさんあるのではないかと思えてくる。紀行文はなかなかにいい。書きぶりは悠々として、かつボルヘスもかくやという引用っぷり。装丁の「狸達磨図」(笑)も妙に実物の狸らしくて可笑しい。2012/11/24

nene

1
言わば、必要に迫られて訳のみをざっと読んだのだが、ほんとうにおもしろい。思わず吹き出す箇所も多数。軽妙洒脱とはこういうことか。2016/11/12

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