出版社内容情報
沖縄の古代社会を直接に記録した史料は,残念ながら残されていない.しかし,今回初めて全訳された,この歌謡集『おもろさうし』から,古代沖縄の中央と地方の,様々な社会のありかたが浮かび上がってくる.(全2冊)
内容説明
沖縄の古代社会を直接に記録した史料は、残念ながら残されていない。しかし、今回初めて全訳された歌謡集『おもろさうし』から、古代沖縄の中央と地方の、様々な社会のあり方が浮かび上がってくる。本巻には「第十三」から「第二十二」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
還暦院erk
3
図書館本。上巻を読んでいる時も思ったが、労働歌・舟歌的なオモロに面白いものが多い。繰り返し出てくる「はやし言葉」は力を合わせて綱を引いたり舟を操ったりする人々の息づかいのようだ。当時も台風がしばしば島々を襲ったのだろうし、薩摩軍との戦いもあっただろうし、大変な御国…それを考えると、ホントに神の言葉は命の言葉だったのに違いない。ワンパターンだなんて捉えたらバチが当たるね。さてこれで自分イベント「岩波文庫で100冊!」35冊読了となった。2019/09/22
urano_takashi
2
個人的に『おもろさうし』で一番好きなのが舟歌。で、舟歌集となっている巻第十三に秀歌が多いと思う。海洋国家・琉球の息吹が伝わってくる。船を運ぶ風を待つ思い、海の道をゆく人々の掛け声。いいなぁ。〈一此れる 此れ 初北風(はつにしや)/うらこしちへ 精(せ)の君 使い/又此れる 此れ おきとば/又初北風す 待ち居(よ)たれ〉〈訳:これぞこれ、初北風だ、北風だ。北風の吹くのを待ちかねて、精の君女神をお迎えにやったのだ。初北風こそ待っていたのだ。北風こそ待っていたのだ〉p91,第899歌2015/02/22