目次
第1章 ホワイトリボンキャンペーンの誕生と展開(ホワイトリボンキャンペーンの誕生;世界に広がるホワイトリボンキャンペーン)
第2章 性暴力/DVの実態(性暴力撤廃への国際的な動き;日本のDV防止法;男性問題としての暴力)
第3章 何ができるか、何をすべきか(日本で始まったホワイトリボンの取り組み;女性との連帯、子どもたちへの対応;男性に何ができるか、何をすべきか)
おわりに 日本社会への提案―女性に対する暴力をなくす取り組みの主流化へ
著者等紹介
多賀太[タガフトシ]
関西大学文学部教授。ホワイトリボンキャンペーン・KANSAI企画委員会座長。1968年生まれ
伊藤公雄[イトウキミオ]
京都大学大学院文学研究科教授、滋賀県・大阪府・京都府男女共同参画審議会長、元内閣府男女共同参画会議専門調査委員、1951年生まれ
安藤哲也[アンドウテツヤ]
児童虐待の根絶をめざすNPO法人タイガーマスク基金代表、NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事。1962年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Narr
17
男性たちよ、暴力から脱却しよう──。恥ずかしながら、ホワイトリボンキャンペーン(WRC)を初めて知りました。WRCとは、「男性から女性への暴力をなくすために、男性が主体となって取り組む、世界で最大規模の国際的啓発運動」(5)。取り組みのきっかけとなったモントリオール理工科大学虐殺事件(1989)──男性による、暴力という究極的なミソジニーの発露──のことも今回が初知りでした。日本での秋葉原通り魔事件(2008)や韓国での江南通り魔事件(2016)が想起されます。早く、早く男性による暴力のない世界にしたい。2021/02/14
田中峰和
8
ホワイトリボン・キャンペーンとは男性が男性に対して、男性から女性への暴力・DVを止めようと呼びかける運動のこと。配偶者から身体的・性的暴力を受けた女性は実に4分の1。被害者となった男性が16%もいるのは意外なのか当然なのか。男性問題としてDVをとらえたとき、男らしさへのこだわりが原因のようだ。男らしさの心理的な傾向は、優越志向、所有志向、権力志向がある。女性への優越感、所有欲、権力欲が言葉に、そして暴力に表現される。お前を愛しているといいながら殴る男。女性への依存心の強さも暴力につながる。肝に銘じるべし。2016/02/15
ybhkr
4
薄い本で読みにくいけれど、とっても大切なことが書いてある。しかし、まだ日本の男性にはこのような至極当たり前のことを受け入れる土壌がないように思う。ジェンダー、セクシャルマイノリティ、DVなどに関心が深いわたしでもこのような活動は知らなかった。男性からの非暴力は憲法第九条と同じくらい主張してほしい。ただ、言葉でのDVに関しては女性の方にもないわけではない。体で勝てないからというのもあるかもしれないが。自分が暴力をふるわないことはできても、他人の暴力に介入することはむずかしい。そこがこのキャンペーンの肝。2016/01/12
新橋九段
3
女性への暴力は男性の問題でもあり、人口の半分を占める男性が積極的に動かなければならないものでもある。基本の要点をまとめた良書。2016/01/28
Special77
3
「男は男らしくなければならない」という思い込みや社会の目が男性から女性へのDVを招いている。男性が男らしさから解放されなければならないと強く思う。2015/11/29