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岩波ブックレット
ルポ 労働格差とポピュリズム―大阪で起きていること

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  • サイズ A5判/ページ数 63p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784002708584
  • NDC分類 318.3
  • Cコード C0336

出版社内容情報

半年先に仕事や住まいがあるかどうか分からない.フルタイムで毎日働いても暮らせない.将来の不安を思うと結婚にも二の足を踏んでしまう.政権交代をしても変わらない,そんな閉塞的な状況とともに広がってきた,強いリーダーシップへの期待.複雑なはずの問題も一刀両断してみせる「英雄」に,何が託されているのか.

内容説明

半年先に仕事や住まいがあるかどうか分からない。フルタイムで毎日働いても暮らせない。将来の不安を思うと結婚にも二の足を踏んでしまう。政権交代をしても変わらない、そんな閉塞的な状況とともに広がってきた、強いリーダーシップへの期待。複雑なはずの問題も一刀両断にしてみせる「英雄」に、何が託されているのか。

目次

第1章 文書捏造事件
第2章 公務員に向けられる憎しみのまなざし
第3章 無法地帯と化す委託現場
第4章 民間でも求められる“英雄”
第5章 橋下支持層の正体
第6章 労働運動の転換への模索

著者等紹介

藤田和恵[フジタカズエ]
1970年東京生まれ、フリーライター、早稲田大学法学部卒業、1994年北海道新聞入社。派遣労働を取り上げた連載「派遣さんと呼ばないで」、高齢者施設での虐待問題を取り上げた連載「なぜ私を殴るのですか」、監視カメラの増設や共謀罪を取り上げた連載「あなた見られてます 監視と安全のはざまで」、雇用の規制緩和や労働条件の劣悪化を取り上げた連載「労働「破壊」」などを企画・担当してきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

12
非正規公務員という時給900円以下、月収16万円以下、年収200万円以下の人が、正規と同じ仕事を任せられる(16頁)。理不尽、不条理さ。学校の非常勤講師と同様か。ハシズムによる公務員へのアンケート内容が権力乱用というのはこの間のニュースでやっていたが、公務員もいろいろいる。ただ、試験に通ってうまく公金を得ている人たちではある。その同じ職場での格差によって、不機嫌な職場環境というのでは全体の奉仕者という憲法条文の規定はどうなのかと思えてくる。一部の奉仕者ではない。2013/03/29

Yasushi Orihara

2
公務員の3割が非正規という実態にもかかわらず、公務員に向けられる憎しみのまなざしがあり、公務員バッシングが続いている。橋下氏は公務員の既得権を攻撃し、市民の支持を得ているが、その橋下現象を分かりやすく解明している。あるべき公務員像、公務員労働組合のあり方にもふれている。2013/03/26

かえで

2
非正規雇用の問題が語られる時、私はいつも士農工商を思い出す。非正規と正規どちらも同じ労働者だ。彼らに必要なのは羨望でも嫉妬でも憐憫でも無関心でもない。同じ労働者としての共同だ。彼らから搾取しているのは誰なのか。真に戦うべきは誰なのか。私たちは労働者である以上、常に考える必要があるのでは?本書は厳密には労働問題を扱ったルポではない。しかし、現代に至る労働者をとりまく変遷が根底にあったからこそこのルポは生まれたといえよう。経済優先の名のもと、一件豊かに見える暮らしと引きかえに私たちは一体どれだけのものを失うの2013/03/07

左手爆弾

2
本書に登場する橋下市長を支持する人達の何が恐ろしいかといえば、自分の利益のために支持しているのではないということである。つまり、「大阪のため」「みんなのため」に公務員を叩き、橋下市長を支持すると答えるのである。自分の利益のために政治家を支持するのではなく、「みんなのため」に一見すれば無茶な政策を受け容れてしまうというのは、非常に逆説的で危険なことに思われる。本来、政治とは「私のため」が寄り集まって「みんなのため」を形成するはずが、「みんなのため」が先にあって私の行動に結びついてしまっている。2012/12/25

rikoyy

1
自分よりも恵まれた人の生活を、外から見て「うらやましい」と思うのではなく「憎い」となってしまうだけの理由について、しっかりと取材しながらその構造の内側に迫っているのに唸った。そして、現実のあまりに酷い状況に唖然とした。正規社員と非正規社員という立ち位置の違いで労働条件に天と地ほどの格差があり、人間としての誇りや尊厳までも強者が弱者を踏みにじる。「私たちは同じ労働者だ」だなんて、弱者の側からはとても思えない。本来なら憎むべき相手を支持してしまう状況を変えるにはどうするべきか、問いかけられている。2013/04/14

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