岩波ブックレット
グローバル時代のアジア地域統合―日米中関係とTPPのゆくえ

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  • サイズ A5判/ページ数 70p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784002708287
  • NDC分類 319.2
  • Cコード C0336

出版社内容情報

TPPに揺れる日本。アメリカとの関係、中国との関係は今後どうなっていくのか? すでに存在する様々な地域「間」協力の様相をコンパクトにまとめ、混迷する国際状況をわかりやすく解説する。また、激動のEUの経験を踏まえながら、アジアの地域統合の今後を展望し、日本の進むべき道を描き出す。

内容説明

TPPに揺れる日本。アメリカや、中国との関係は今後どうなっていくのか?ASEAN+3、ASEAN+6、APEC…アジアにすでに存在する様々な地域「間」協力の様相を描き出し、混迷する国際状況をわかりやすく解説する。また、激動のEUの経験を踏まえながら、アジアの地域統合の今後を展望し、グローバル時代に日本が進むべき道を提言する。

目次

はじめに―進む世界の地域統合・地域「間」協力
1 グローバリゼーションと地域統合の波
2 アジアの地域統合―欧州との比較
3 成長するアジアの地域統合戦略―日本の課題
おわりに

著者等紹介

羽場久美子[ハバクミコ]
津田塾大学大学院国際関係学研究科博士後期課程修了。学術博士(国際関係学)。青山学院大学大学院国際政治学専攻教授。ハーバード大学客員研究員。東アジア共同体評議会副議長、国際アジア共同体学会副代表、ジャン・モネ・チェア(EU)。専門は拡大EU・NATO、冷戦史、ナショナリズム、アジア地域統合とアメリカ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬弐仟縁

8
副題にTPPあり借りた。協力しつつも競争するという、一見矛盾した地域「間」協力。マイケル・マン曰く、民主主義は均質社会では成功するも、多民族多層国家では多数派でも少数派でもテロを生むとする(15頁)。民主主義も難しいかじ取りを迫られている。図10の複雑なアジアの地域統合と地域「間」協力(36頁)。日本はASEAN+3とか+6、ASEM、APEC、ARF。EPA、FTAの勝・勝政策、対等、例外品目設定ではない、TPPの開国か保護主義か、の二者択一に筆者は疑問を呈する(44頁)。白黒、勝敗だけでは社会に禍根。2014/02/15

coolflat

5
米国は既にかつての世界一の経済力ではなく、長期的衰退に向かう状態の中で、北米・南米・アジアにまたがるTPPを自国の「生き残り作戦」の一環として位置づけ、「輸出倍増・雇用促進」を実現するためにそれを利用する。それは中国への牽制であるだけではなく、既に世界経済第二位の地位を獲得し、早晩米国に並ぼうとする中国と連携せずして、米国の経済発展はないと考えているからである。そして米国は明らかに、日中韓とアセアンが主導し米国を排除する、アジアの地域統合に異を唱え、米国の参加する地域統合以外のアジアの組織を認めなかった。2013/12/02

ふぁいと

3
地域統合についてEUを振り返り、アジアでの成立の可能性を端的にまとめた本。筆者の意見も入っていてなかなか面白い。今後の外交の流れ押さえることにも役立つ。ちなみにTPPで著者は「例外項目の設定、特定国の独裁的なルール設定の阻止」などを主張しており、慎重ではあるが、地域統合に前向きな姿勢で論じている。2012/07/11

モリケン

1
羽場先生の授業レポートの参考に購読。東アジア共同体の可能性を政治・経済・文化のハード面ソフト面両方をふまえつつ解説している。EUのような共同体を作るにはまだまだ時間がかかると思うが、将来の日本やアジアの状況を考えれば共同体の理想はまったく絵に描いたもちというものでもないのだという実感を受けた。個人的にはアジアのグローバルリーダー達と議論できるような高等教育機関があるならば、是非参加してみたい。2015/01/10

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