出版社内容情報
冷戦期,東西対立の最前線で核戦争の脅威を肌で感じたドイツの人々は,スリーマイル島,チェルノブイリを経て,緑の党を成長させ脱原発を選択した.フクシマの危機をきっかけに,脱原発の期日を前倒しにしたドイツの決断を,歴史的背景を踏まえてコンパクトに解説する.巻末に日本の原子力政策論を収録(市民エネルギー研究所執筆).
内容説明
冷戦期、東西対立の最前線で核戦争の脅威を肌で感じたドイツの人びとは、スリーマイル島とチャルノブイリの原発事故を経て、緑の党を成長させ、脱原発を選択した。フクシマの危機をきっかけに、脱原発の期日を前倒しにしたドイツの決断と、再生可能エネルギーへの転換のビジョンをコンパクトに解説する。
目次
はじめに―フクシマのインパクト
1 ドイツ冷戦の最前線で
2 エネルギー政策転換への道
3 エネルギーと倫理
おわりに―ヨーロッパを再生可能エネルギーの「大陸」に
解説 なぜ日本でこれだけ多くの原発がつくられてきたのか(市民エネルギー研究所)
著者等紹介
シュラーズ,ミランダ・A.[シュラーズ,ミランダA.][Schreurs,Miranda Alice]
1963年アメリカ生まれ。メリーランド州立大学教授を経て、ベルリン自由大学教授・環境政策研究所所長。専門は環境政策、政治学。2011年3月より、ドイツ政府原発問題倫理委員会委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
16
年間総実労働時間が短いドイツ。EUの指導的役割を果たす国。さらに環境保全も立派。極めて尊敬に値する国民がいるのだろうと推察する。家づくり(パッシブハウス)ではエネルギー効率を高くする必要がある。脱原発の方が雇用創出とも(25頁)。原爆と原発は同じ核の技術であるのに、曖昧にしたという(市民エネルギー研究所56頁)。核拡散防止条約があるが、核は放射能のリスクがあるので、条約にも触れるのではないかとわたくしは素人として疑念をもつ。広告のあり方がシビアに問われる。洗脳、科学万能主義であったことも否めないので。2014/02/07
朝倉大和
9
日本もドイツの精神を見習ってほしい。2011/10/19
Yukiko
5
ドイツの脱原発から再生可能エネルギーへの転換について、入門書。成功しているようだ。 日本でなぜこのようにいかないのか。民主主義的な政治的決定がされないからだろうな。2013/07/27
さちやす
4
確かになんで、日本は広島、長崎の惨禍があったのにも関わらず原発が全国各地に点在してるんだろう。ドイツ人でなくとも疑問です。原爆も原発も同じもの。かくいう、自分もメディアや原発推進派に踊らされていたひとりです…。読みやすく、入門に最適の本でした!!2014/04/03
qoop
3
ドイツが脱原発を目指し、実現しようとしている道程をコンパクトにまとめた小著。日本と比較出来るデータなどは押さえられていないため、日本の今後に対する示唆は正直、有益とは思えず。むしろ両国の違いを、しっかり確認しておきたい。日本の話はそれからだろう。2011/09/17