岩波ブックレット
取り返しのつかないものを、取り返すために―大震災と井上ひさし

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  • サイズ A5判/ページ数 62p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784002708140
  • NDC分類 369.31
  • Cコード C0336

出版社内容情報

もしも今,彼が存命であったら,愛した土地の姿をどうとらえただろう.被災した者に,被災を逃れた者に,どんな言葉をくれただろうか――.井上ひさしの一周忌に,鎌倉で開かれた追悼講演会を収録.亡くなった人の分も生きて,幸せになってくれと娘に願う『父と暮せば』の父

内容説明

もしも今、彼が存命であったら、愛した土地の姿をどうとらえただろう。被災した者に、被災を逃れた者に、どんな言葉をくれただろうか―。「井上ひさしの言葉を心にきざんで」と題し、鎌倉で開催された講演会を収録。亡くなった人の分も生きて、幸せになってくれと娘に願う『父と暮せば』の父の姿をひきつつ、惨禍のあとを私たちはどう生きるか、問う。

目次

不安社会を生きる(内橋克人)
靖国合祀と憲法(なだいなだ)
九条を文学の言葉として(大江健三郎)
井上ひさしさんの言葉(小森陽一)

著者等紹介

大江健三郎[オオエケンザブロウ]
1935年愛媛県生まれ。小説家。「九条の会」よびかけ人

内橋克人[ウチハシカツト]
1932年兵庫県生まれ。経済評論家。「鎌倉・九条の会」よびかけ人

なだいなだ[ナダイナダ]
1929年東京都生まれ。小説家、評論家、医学博士。「鎌倉・九条の会」よびかけ人

小森陽一[コモリヨウイチ]
1953年東京都生まれ。日本近代文学研究者、東京大学教授。「九条の会」事務局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

そーすけ

3
214*東日本大震災直後の講演録。救護と同時に糾弾を。阪神大震災の直後、村山首相が自助努力を要請した国会答弁をしていたことは、知らなかった。天災からの復興に、自己責任って、おかしいでしょ。失業保険さえ受けられない失業者の多い日本。大江さんは、『父と暮らせば』を引用。2019/08/12

Sakie

2
原発と憲法改正については、現首相の言うこと、メディアの喧伝すること、根本がおかしいと感じている。その、おかしいと感じている引っかかりは、決して流して忘れてしまわないことだ。なんとなくと感じるものが、どうやら生物としての危険信号である可能性は小さくない。今の時勢下で育つ子供は、原発は是、憲法改正は必須と教えられて育つ。その子達が長じてそれらを否と言えるか。私は恐ろしい。私も希求する。そして正しくないことが成されてしまわないよう願う。 2014/03/26

壱萬弐仟縁

2
内橋克人先生の、「原発過密列島ニッポン」(9ページ~の節)は、知らない間にこんなにもできてしまったのか、と後日談になってしまう。本来、活断層の話は作る前の話なのに、できてから、3.11後に出てきているのも不思議としか言いようがない。スロー・デスという、被ばくしてからの個人差もある、漸進的に死に追いやられることが今後起きてくる(12ページ)。不安の実態はここに見出せる。日米安保の性格として、経済協定の側面を意識しないとTPPの問題も理解できないようだ(16ページ)。取り返しのつかない3.11を福幸の復興へ。2012/11/21

КИТАРУ МУРАКАМУ

2
大江健三郎の「9条を文学の言葉として」がいい。2011/07/16

Hiroki Nishizumi

1
内橋克人の文章は心に刻みたい。2021/10/01

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