内容説明
日本で生まれ育ち、Jリーグのプロ選手として活躍、夢だった北朝鮮代表にも選ばれ、南アフリカで開催された2010年ワールドカップにも出場―国籍・文化・言葉…あらゆる壁を壊して夢に向かって走り続けるサッカー選手、鄭大世(チョン・テセ)。少年時代の思い出から北朝鮮代表としての苦悩、チームメイトとの交流、ワールドカップでの経験まで、すべてを語り尽くす講演録。
目次
グラウンドは三角形
根っからの負けず嫌い
選択に迷った大学
プロへの入口―J1かJ2か
背中を押してもらう
川崎フロンターレ―結果への焦り
はじめてプレーで文句を言われる
初ゴール、そして、めぐってきたチャンス
一度はあきらめざるを得なかった朝鮮代表―国籍という壁
朝鮮代表招集〔ほか〕
著者等紹介
鄭大世[チョンテセ]
1984年3月2日、愛知県名古屋市生まれ。初級学校から大学校まで民族学校に通う。2006年に朝鮮大学校を卒業したのち川崎フロンターレに入団、ストライカーとして活躍する。2007年からは朝鮮民主主義人民共和国代表に選出され、2010年南アフリカワールドカップにも出場した。現在、ドイツ2部リーグのVflボーフムに所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
17
著者は名古屋市生れ。 早大アジア太平洋研究センターで講演会 「わが『一蹴入魂』の青春――『在日』・アイデンティティ・W杯」 として、2010年7月16日に講じている内容。 小学生でサッカーをしている子は、プロを目指している(6頁)。 彼の国籍は韓国(24頁)。 民族教育を受けて、朝鮮代表として日本代表と闘いたい、という思い があったようだ(28頁)。 アイデンティティはこの人の立場であれば、 よりシビアに問われる部分である。 2014/04/04
ふう
8
テセの早稲田での講演を文字に起こしたもの。想像以上に薄い。まさにブックレットw けどテセが昔からしっかりときちんとした意見を持っていることがわかってすごく面白かった。「言葉なんてツールでしかない。大事なことはその人の気持ち」ってフレーズがいかにもテセっぽくて印象的。2010年当時朝鮮学校は卒業しても中学高校の卒業資格が得られないということは初めて知った。2017年の今はどうなんだろう。2017/06/19
いちの
3
熱い気持ちを全面に押し出す選手、いわく「言葉はツールでしかない」。編集部のコラムがあるので日本のこと韓国のこと北朝鮮のことがより分かりました。2013/09/19
ご〜ちゃん
3
まだまだ大きく成長して行きそうな予感。応援したくなりました。2010/12/31
ユウコ
2
切れやすかったり泣きやすかったり、自分に正直で好きです。日本で生まれ育った日本人として、本当に複雑な背景を持つ彼らのことを簡単に理解したとはいえないけれど、テセたちが果たしたことはすごく大きなことだと思う。さらに羽ばたいて世界のテセとなり、川崎に帰ってきてくれるのを待っています。2011/10/18