出版社内容情報
豊富な食糧、きれいな水や空気、衣類や住居・・・私たちのくらしは、多様な生物が織りなす自然の恵みに支えられている。人間活動で大きく変化した、生物の多様性。本質と現状・保全の方策を、図を多用し、わかりやすく解説。
内容説明
おいしい食べもの、きれいな水と空気、衣類や住居、医薬品、美しい風景…私たち人間のくらしは、自然の恵みに支えられてきた。しかし、生物たちが長い歳月をかけて作り上げてきた自然のしくみは、人間の活動によって大きく変化しつつある。いま、注目される「生物多様性」。その本質と現状・保全の方策を、保全生態学の第一人者がわかりやすく解説した、入門書の決定版。
目次
1 誤解されがちな「自然を守ること」
2 生物多様性とは何か
3 めぐみと由来
4 生物多様性の危機
5 危機を乗り越えるために
6 未来をひらく自然再生へ
著者等紹介
鷲谷いづみ[ワシタニイズミ]
1950年東京生まれ。東京大学大学院農学生命科学研究科教授。日本学術会議会員、中央環境審議会委員。専門は、生態学・保全生態学。現在は生物多様性保全に関する幅広いテーマの研究をすすめている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
愛奈 穂佳(あいだ ほのか)
4
【ココロの琴線に触れたコトバ】日本では、ここ二、三世代の間に、日常的に自然とふれあう機会が著しく減少した。また、初等教育から高等教育に至るあらゆる教育課程において、「自然史」が軽視された。そのため、生物多様性を具体的に認識し、また、適応戦略を読み解く眼力を備えた人物が少ない。この問題の解決のためには、身近に常に多様な野生動物がいて、日常的に接することのできる生活環境を取り戻すこと、幼い頃から自然史や生態に関する学習を重視する事ことが必要だろう。2015/07/31
Aby
3
タイトルのままの内容.岩波ブックレットなので,ページ数もコンパクト.環境工学系の同僚からも言われていたことだが,「人間社会の持続可能性(p.43)」なので,ヒトが絶滅すれば地球本来の生態系に戻る,と.「自分や子どもや孫たちの未来に大きな危機が待ち受けている(p.44)」というところが,問題の焦点.2015/06/24
samandabadra
1
生物の多様性はStatus quo(現状維持)が重要であることを強調している。多様性は相互依存状態で存在するのでバランスが大切なのはわかる。日本固有の生物が守るべきものだということも。ただ、なんとなく違和感は残る。バランスが崩れたとしても、修正するのも自然のような気がするからだ。バランスの崩れは火山の爆発などの自然災害によっても引きおこされ、いつの間にか新たなバランスに移っていくように思えるからだ。なんとなくだが、この場合の多様性の有益性は、「人間の都合」なのではないかと思えるのだが、間違っているだろうか2019/11/29
takao
1
ふむ2019/09/09
Kunio Hanaoka
1
久しぶりのブックレット。分かりやすいことこのうえない。2015/12/22