出版社内容情報
呪術的な響きを聞き分けるハーンの耳を魅了した琵琶法師,大黒舞,門づけの歌….近代日本が捨て去った物語の調べ,冥界と交信する民衆の音楽を再生し,『耳なし芳一』がもつイメージの官能性,濃厚なエロスの所以を掘り下げる.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
21
ハーンの出自というか日本へ来るまでの旅路であるとかも含めてそこから音(音楽)への傾倒と被差別階層に位置付けられる人たちの間で伝えられる伝統。その辺から大黒舞と近代教育を受けられない層に伝統が守られるとかその辺もさすがというか。熊本行った時にもうちょっとこっち方面も見てくるんだったと後悔してみたりする。イェイツへのツッコミはなるほどなーという感じですた。2015/01/13
るなたん
2
ひとびとが雑音として抑圧してしまった音に、敢えて耳を傾け、耳本来の受動性にすべてをゆだねたヘルンさん。穏やかな松江の空の下、「やはりそうだったかぁ」と、暫し『音』を楽しむ。2016/07/10
Masashi Marcy Takashima
1
なにも音楽家だけが音を語る資格があるわけではなく、音からイメージへつながる、小泉八雲の卓越した耳があればこそ「怪談」にも着手可能だったと思われる。 それをあぶりだした西成彦さんの鋭い視点が堪能できます。2013/06/13
カネコ
0
○2009/09/13