出版社内容情報
ベイルートに外科医として赴任した著者が見たのは束の間の平和と突然の砲撃.キャンプが163日間封鎖された時は,爆死か餓死か,の恐怖を味わう.悲運の民に共感し,苛酷な生をともに生きた女医の感動の記録.
内容説明
85年暮、ベイルートに外科医として赴任した著者が見たのはつかの間の平和と突然の砲撃。163日間キャンプが封鎖された時は、爆死か餓死か、の恐怖の中で手術と治療を続ける。不自由な生活にもかかわらず、明るく助け合って生きるパレスチナ難民の人々。悲運の民に深く共感し、苛酷な生をともに生きた女医の感動の記録。
目次
1 外科医としてベイルートに赴任する
2 ブルジバラジネ・キャンプの人々
3 キャンプ住民とアマル民兵の衝突
4 外国人の誘拐が多発する
5 つかの間の平和と拷問事件
6 キャンプ攻撃が始まる
7 戦闘の5週間が終わる
8 キャンプに戻った「平和」
9 レバノンの歴史への旅
10 戦闘が再開、キャンプが封鎖される
11 食糧と燃料が不足し始める
12 飢えと寒さにふるえる
13 国際機関に救助を求める
14 悪夢のような一日
15 狙撃される女たち
16 キャンプ封鎖解除まで
17 ブルジバラジネに心を残して
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まろ
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壮絶としか言いようの無いベイルートの難民キャンプ。身悶えしたくなるほどの悔しさを感じた。 東日本大震災が起こった時、これを読んでいた。被災地の光景と本の中の難民キャンプが重なった。同じ悪夢のような、しかし紛れも無い現実。今被災地で懸命に医療活動に携わっている人は、この著者と同じ強い信念と使命感の人達だ。頑張って欲しいと思った。 2011/03/14
のんき
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再読。ベイルートの難民キャンプに1985年から派遣された女医の手記。はじめのうちは外出もできていたのが次第に状況が悪化、遂に翌年にはキャンプが封鎖され極限ともいえる状況を体験する。そんな中で医療活動を続け記録し続けた使命感に圧倒される。2008/02/03
ふのりけちょ
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「ガザに地下鉄が走る日」で紹介されていた本。複雑な衝突の背景。全ての皺寄せは最も社会的立場の弱いパレスチナ難民に集中する。今は本書よりももっと過酷で悲惨なことが同じ場所で起こっている。おそらく想像することができないほどに。今こそ読み継がれ、思い起こされるべきと思いました。2023/11/18