出版社内容情報
自然に囲まれた方一丈の空間に限りない慰めを見出す「方丈記」.人の心の無常を凝視した「徒然草」.日本人の心性を鋭く造形した中世文学の最高峰2篇が,最古の様態をいきいきと伝える本文と創造的注解によりあざやかに蘇る.
内容説明
自然に囲まれた方一丈の空間に限りない慰めを見い出す方丈記。欠けたる月、祭りの後を愛で、人の心の無常を異様な好奇心をもって描写した徒然草。日本人の心性を鋭く造形した中世文学の最高峰2篇が、最古の様態をいきいきと伝える本文と創造的注解によって、あざやかに蘇る。付録として、池亭記、兼良本方丈記・略本3種・鴨長明集、徒然草地名・人名一覧等を収載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
10
兼好法師の「徒然草」、底本には、現存最古の写本「正徹書写本二冊」を用いた。とある。付録、解説も充実している。さすが、岩波書店というべきか。今度の研究授業で第52段を読むので、「かたへの人」の解釈が必要なのだ。いろいろな本に当たってみたが、単数か複数か? 「仁和寺の法師」より若いのか、同輩か、分からない。この本が、私のイメージに最も近いように思う。でも、はっきりしない。(困)2017/09/17
サチ
2
徒然草の底本が「正徹自筆本」というのはかなり珍しいかと。2009/07/22
🐙🦀
1
冒頭だけは皆が知っているであろう方丈記。 内容は前半は災害の記録。後半は世俗離れのススメと楽しい老後生活記録。 実際に読んでみて印象はがらりと変わり、読むに連れて鴨長明の陰キャラ化が…。 しかし、現代でも通用することが多く書かれているのも古典の面白いところ。2013/05/26
naagita
1
方丈記の異本が網羅されている他、解題である「方丈記管見」も読み応えある。2009/04/04