出版社内容情報
カルロ・コッローディ[コッローディ,C.(カルロ)]
著・文・その他
杉浦 明平[スギウラ ミンペイ]
翻訳
内容説明
ことばをはなす木から人形を作ったジェッペットじいさんは、それにピノッキオと名づけて、子どものようにかわいがります。やがてピノッキオは広い世界に旅に出ます…イタリアの代表作として百年以上にわたり世界中の子どもたちに親しまれてきた物語。小学3・4年以上。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
85
実は、この作品は、イタリアが独立し富国策を打ち出していく中、「よく勉強し、しっかり働かないと、社会の敗残者になる」という国家主義的な目的で書かれたという。だが、子どもたちには、そういった大人の思惑より、ただただピノッキオの悪い子っぷりが楽しかったようで、連載が二度も延長されたそうだ。ピノッキオは、バイキンマンやクレヨンしんちゃんの大先輩というところだろうか。2020/02/19
たつや
52
子供の頃、テレビで見た「樫ノ木モック」「ピコリーノの冒険」映画「ピノキオ」その他紙芝居や絵本、等々、さんざん見て十分知ってるはずの「ピノキオ」の原作は初読み面白かったですが、原作とアニメの違いも多い!最初は サクランボ親方が、泣き笑う木切れを見つけ、おじいさんにあげる。こんなで出し?だっけ?その後、読むと思い出すエピソードの多いことの多いこと。懐かしく楽しめた。クジラが違う生き物だったり、違いを探すのも楽しい。2017/05/12
日の丸タック
32
ワイルド👍 そして自分のイメージをひっくり返した。 伊集院光の100分で名著で紹介されてて、読んでみた❗️ 道徳じゃなく子供が喜ぶのはこれだ〜👍2022/07/03
コニコ@共楽
24
読書会に備えて、光文社古典新訳を読んだ後、コチラも読んでみた。ポップなイラストもついていて、読者の対象を若い層にしているせいか、親しみやすい訳で一気に読めた。ピノッキオのこりない腕白ぶりに、再読でも次はどんな展開か、先が知りたくなってしまう。ピノッキオは、基本的には心優しいのだろうが、「食う寝る遊ぶ」が好きな生活態度。子どもだけでなく、大人も金貨がなる木はほしいと思ったり。ピノッキオはなぜ人間になりたかったのか、おじいさんはピノッキオに息子としての愛情をどれほど感じていたのか、読書会で話してみたくなった。2022/05/25
三柴ゆよし
23
『老ピノッキオ、ヴェネツィアに帰る』の予習として。うそをつくと鼻が伸びるのと大魚に呑まれるのは同じだが、ディズニー映画とは一味ちがうピノッキオのこの糞餓鬼っぷりを括目して見よ。いきなりのニート宣言からはじまり、善人のコオロギを問答無用で打ち殺し、じいさんが身を削って手に入れた教科書を即座に売り払うピノッキオの行動は、わんぱくを通り越して、むしろサイコパスの萌芽すら感じさせる。木偶人形とはいえ擁護しようがないのである。中盤以降は教科書的な展開でおもしろくないが、現代読者の笑いにじゅうぶん耐えるものであった。2013/01/05