内容説明
ある晩、パシュラル先生のもとに、ひげのテントウムシマルメロがぽつんとたずねてきました。かれは、ながい旅の話をはじめ…。
著者等紹介
はらだたけひで[ハラダタケヒデ]
1954年東京生まれ。都立高校を卒業後、信州の山間を彷徨。「美学校」で、現代美術の松沢宥氏に師事。89年『パシュラル先生』で産経児童出版文化賞入賞、94年『フランチェスコ』でユニセフ=エズラ・ジャック・キーツ国際絵本画家最優秀賞を受賞。75年より岩波ホールに勤務
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感想・レビュー
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AKIKO-WILL
38
絵本だけど読むと分かる。何故人は戦争をするのか?著者がイラク戦争を憂いた時に浮かんだこの話。パシュラル先生とひげのテントウムシ。生きることはとてもステキな事。不思議な村では楽しそうな光景。2人の想いは同じ!絵本だけど、大人向けですね。2016/09/10
野のこ
18
世界はふかい闇に包まれた。「だれかのよぶ声がする」テントウムシのマルメロはあかりを灯して長い旅へ。宇宙のちりから生まれた星はどこへ行こうとしているのか。透きとおるような優しいタッチの絵はどこか儚い気持ちになりました。「どうか平和な地球に」と。パシュラル先生の青い石は希望の明日へつながる。「どうか光あふれるあさになりますように」2016/11/19
Cinejazz
13
てんとう虫の<マルメロ>と<パシュラル先生>が、〝自然への慈しみ〟と深い闇につつまれた〝人間の蠢く地球〟を語り合った幻想あふれる世界。 「人はいつまで 戦争をつづけるのでしょうか。 虫も人も大地も傷ついて いたみ苦しんでいます。 戦争をおこす人は怯えるように 鏡の部屋にこもったまま。 たけだけしい声に 平和の祈る声はかき消され 憎しみが渦巻いています」・・・・・。2022/05/22
まつどの理系こうし(まりこ)
6
お話は、反戦。テントウムシですら悲しむ戦争をなんで人は繰り返すの?みたいな内容です。作者がイラク戦争を憂いて書いたようです。絵は全体にハイライトが効いたような常に淡い絵です。ファンタジックな絵は嫌いじゃないです。2017/05/19
二藍
5
旅するてんとうむしのマルメロの話。やさしい絵と静かな文章が、ゆったりした気分にさせてくれた。2015/06/07