出版社内容情報
中国最古の詩歌集「詩経」と,唐を中心としたすぐれた詩人11人を選び収める.詳細な語釈と,現代的感覚による流暢明快な通釈を付して,中国古典詩の世界を現代の読者に紹介する.* 〈1990年9月/新装版発売〉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nonberg
9
ふとしたとき、口ずさむのは、彼が故郷を詠った「昌谷詩」-- 色彩あざやかに転変する郷里の情景、ときに水の音、風の音、草の葉擦れ、鐘の音に包まれつつ、まるで李賀と一緒に小径を歩いているかのようだ。高い学才に恵まれながら、志を遂げられず、弱冠27歳で夭逝した、<鬼才>李長吉。詩篇を彩る奇怪、妖艶な表現は、世俗 -- 地上界に縛られては終わらない、尽きることのない詩情の表出だろう。40万を超す趙兵が秦の白起に生き埋めにされたという古戦場を訪ねた「長平箭頭歌」では、彼の魂は啜り泣く趙兵の魂魄に寄り添い鬼火と舞う。2021/07/16
fonfon
8
私にとって漢詩とは17歳のときにはじめて読んだ李賀のこの一冊である。漢文の授業で習ったどの詩ともまるで異なった激烈なツブテの数々。幻想、というヤワな言葉をつきぬけたイメージの乱舞。かと思えば、突然モノクロの世界に落とし込まれて、恐ろしくも寒々しい孤絶。李賀もきっと共感覚の持ち主であったに違いない。2012/02/20
雪野きずな
1
図書館で借りて読破。中国詩人選集は全巻読破したい。2016/11/05